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富山 : 夏のおわり、神通川の鮎と風の盆

夏の終わりに、鮎を食べに行った。

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盛りつけ、壮観。

敷き詰められた笹の葉のうえに、神通川の流れに逆らって泳ぐようなあんばいで並ぶ鮎。

うっすらたちのぼる煙が見えるだろうか。笹の葉のしたから、お茶の葉で燻しながら食卓に運ばれてくる。

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さっきまで、たらいの中をスイスイ泳いでいた鮎。

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蓼酢につけて、頭からがぶり。

青っぽいさわやかな香りと、わたのこってりした風味。骨やえらなどかたい部位と、ほろほろした身。いろんな味覚や食感が渾然一体となって、尻尾まで味わう。

父親が満鉄に勤めていた関係で、義母は北京で物心ついたという。

北京は、その昔も言わば肉食文化の街だったはずで、だから味覚の基本に魚がないようだ。たぶんそのせいで、キトキトの魚、の富山のひとであるのに、魚があんまり得意でない。しかも、川魚。こういう場面では、(よ)がふたりぶんの鮎をせしめることになる。

そんな個人的な話はどうでもよくて、ここは富山大学付属小中学校の近くにある日本料理店の「ふじ居」

コースで出た鱧や、炙った秋刀魚、ジュレ仕立てでうにが添えてある夏野菜の南蛮漬け、などのお料理も美味しかった。

お酒は、富山の銘酒がならぶメニューから、福鶴酒造の「風の盆」を選んでみた。

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なぜかというと、食事のあと八尾でやっているはずの、おわら風の盆の前夜祭を見にいくことになっていたから。

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すこし雨がぱらついていたので、もしや中止?とも思ったが幸いあがって、もうかなりの人が集まっている。

祭本番は各地からの観光客でごったがえし大変なことになるので、楽に観られる前夜祭を、と義母が気をきかせてくれたのだった。

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踊り手とお囃子がゆっくり町流しするのを、見物人たちが見まもり、ついていく。

静かなお囃子と、ゆっくり優しげな踊り、笠で隠れて見えない踊り手の表情、ぼんぼりで照らされるうっすら影のある街並み。ちょっと色っぽいというか、妖しいというか、しっとりした不思議な魅力がある。

前夜祭は10日ほど続き、日替わりで毎晩一町内が町流し、輪踊りを行う。

町流しについていったら、町の寄り合い所のような場所にたどり着いた。ここで輪踊りを見る。

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お囃子には笛がなく、かわりに小型の三味線を縦にして弓で弾くような楽器、胡弓がある。

笛でなく胡弓。このお囃子のサウンドがとても重要で、祭らしくエネルギーを発散するというよりは、ぐっと哀愁が強調されたムードが醸されることになる。

ふと、力強いビートがデフォルメされた現代風のリズムも聴くことができる高円寺の阿波おどりを思い出した。「東京爆音派」などと呼ばれるラウドな太鼓がウリの連もいる。

さしずめ、こちら「おわらアンビエント」かな。なんて。

クワイエットで妖艶な独特の雰囲気を現代的に再解釈するような、現代の文化につながる風の盆を作ろうとする人たちが出てきたりすると、すごく面白いなと思ったりした。

<2013年8月>

(よ)

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by brd | 2013-11-04 14:14 | 富山


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