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1980年に創刊した、男の食の雑誌 季刊『饗宴』

古書店で雑誌『饗宴』を手に入れた。

今から35年前の1980年に創刊した食に関する雑誌で、副題に「男の食の雑誌」「季刊・味のコレクション」とある。

現在こういう路線の雑誌が出ていたら自分は間違いなく買うであろう文化寄りの内容で、作りもかなりゴージャス。

ウェブでかるく検索してみたが、ほとんど言及している人がいないので、(よ)が引っかかったポイントだけざくっと簡単に紹介してみよう。筆者の方々の敬称略です。

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『饗宴』創刊号 1980年冬

表2の対向に挟まれたトレーシングペーパーのような透ける紙に印刷された巻頭言は、詩人の田村隆一。

次に目次があり、その次に出てくるのは、ネクタイしめた野坂昭如がレストランでステーキにナイフを入れているドアップ写真の断ち落とし。カッコイイ~。創刊号の巻頭特集は「STEAKE考」。野坂昭如が写真家の浅井慎平とステーキ食べながらステーキ対談していたりする。エスコフィエのトゥルヌド・ロッシーニからテリヤキステーキまでステーキ図鑑なども。昭和の日本人にとってビーフステーキは憧れの西洋食の代表、だったのかもしれない。

さらに荷風のめぐった浅草の店の話や、京都論があって、後半のカラーページはインドの宗教と食。

連載は澁澤龍彦、色川武大。そして佐原秋生×山本益博のフランス料理対談連載なども(2号目より見田盛夫が加わる)。

さらに巻末の飲食店紹介の連載がクロスレビュー方式で、見開き一軒をふたりの論者が批評。毎回、フランス料理店を前出の佐原、マスヒロが、寿司、蕎麦、てんぷら、洋食などを矢吹申彦と徳大寺有恒が、中国料理を小倉エージと大江田信が担当している。批評の尺度は「味」だけでなく、場所、外観、内装、サービス、つまり食事にまつわるトータルな「幸福度」であると宣言。

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第2号 1981年春

特集「谷崎潤一郎の[美味]耽溺」は谷崎のエロスと食について。続いて「食と音楽」では春田三治、近藤進、色川武大、すぎやまこういちの4人が「コルトレーンが・・・」とか言いながら、なぜかみんなでベトナムの揚げ春巻きチャージョーを作って食べるという趣向。

「いつか見た食卓」は浅井慎平が撮影した食べかけの料理の写真とエッセイ。さらに西伊豆で釣ったウツボを食べる記事や、ビルマの食べるお茶の葉ラペットゥの話など。

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第3号 1981年夏

特集「レストランを食べよう」では[いまこそマキシムする愉しみ]と題して、前出の佐原、マスヒロ、三田の3人がパリの「マキシム」でディナーしながら鼎談するフランス料理ドキュメント。鼎談の下に時刻が示され、入店から食事、退店時まで間の推移がわかる編集になっている。さらに脚注は発言者がそれぞれ署名で執筆する念の入れよう。

「北陸・珍味紀行」では自然と富山の項に目が行く。黒づくりに鱒すし、ほたるいか、など。ワイン特集は日本ワイン批評の草分け山本博が監修。スパイス特集には石毛直道などが寄稿。他には、関係者が勢ぞろいした和田誠邸での美食パーティの様子や、台北の食についてのカラー特集、貝原益軒「養生訓」の食と性など、たっぷり濃い目。

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第4号 1981年秋

巻頭カラーがド迫力。篠山紀信撮影の「食のシルクロード」。広州の清平市場、西安、蘭州、ウイグルなど中国の写真が圧巻。さらにパキスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、シリア、トルコ、ギリシャ、イタリアまで大ボリュームの大陸横断食ドキュメント。

たいめいけんや煉瓦亭のカラーから始まる洋食特集の鼎談が、レイバンのサングラスかけた糸井重里に榎本了壱、山本益弘。秋鯖に関する記事のイラストが吉田カツ描くかっこいい鯖だったり・・・。

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第5号 1981年冬

巻頭は「江戸の味、東京の味」特集。色川武大がもんじゃを食ったり、加藤武が築地に行ったりするカラーから始まり、寿司、蕎麦、てんぷら、うなぎ、江戸論、築地マップまで、これまた大ボリューム。

ほかには笠井潔の作ったブイヤベースをすが秀実ほかの4人で食したり、小松左京と小沢昭一の祇園対談など。後半カラーは韓国のキムチ取材。



版元は『私の部屋』などを出していた婦人生活社。今はもうない出版社か。

食といえばレシピや店紹介などがメインで、快楽としての食、文化としての食みたいな方向性をがっちり打ち出した雑誌は、当時としてもかなり珍しかったんじゃないかと思う。

たとえば音楽やサブカルチャーなんかの雑誌に関してであれば、マニアックな研究書などが出ていて、歴史的なことはかなり探求されている気がするけれど食の雑誌ってどうなんだろう。ちょっと忘れられていたんじゃないかな。

食を自由なフィールドに解き放つ活動全般に興味があるので、過去にこういう雑誌が出ていたというのは、ちょっと嬉しい発見。

もう少し探究してみます。

(よ)

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by brd | 2015-01-20 01:01 | 本や映画 | Comments(0)

『料理通信』 モエ・エ・シャンドン GRAND VINTAGE 2006 × LE&(ル・アンド)

(ゆ)です。

毎号、料理界の最先端情報を掲載する『料理通信』誌のウェブ版で、英訳のお手伝いをさせていただきました。

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写真は最新2014年11月号「自家製しよう!」特集です。

わたしの故郷の富山県からは、イベント「富がえりのレシピ」リポートでもご紹介した、南砺市の郷土料理研究家・中川裕子さんによる「かぶらずし」も掲載されています(52~53p)。

富山の郷土料理を勉強していくと辿り着くのが、かぶらずしだそうです。

ぜひご一読を。

さてウェブ版ですが、「SPECIAL」のコーナーにアップされている最新記事が、シャンパンの「モエ・エ・シャンドン」による「LE&」(ル・アンド)なるイベントのリポートです。

GRAND VINTAGE 2006 × LE&(ル・アンド)
Vol.1 モエ・エ・シャンドンが切り拓く新しい味と体験


上記の英訳版をショーン・ガストンさんと担当させていただきました。

GRAND VINTAGE 2006 × LE&
Vol.1 A new taste and experience pioneered by Moët & Chandon


日本からはソムリエの田崎真也さんや、シェフの米田肇さんなどが参加。

今年パリの三つ星「ルドワイヤン」のシェフに就任したことが話題になっているヤニック・アレノさんによる料理と、モエ・エ・シャンドンの「グラン ヴィンテージ 2006」の素晴らしいマリアージュを、英和バイリンガルでリポートしています。

上記に続く続編が下記です。

GRAND VINTAGE 2006 × LE&(ル・アンド)
Vol.2 料理とワインのFine Craftmanship


モエ・エ・シャンドンの醸造最高責任者ブノワ・ゴエズさんと、米田肇さんの対話を収録した記事で、たいへん興味深い内容になっています。

GRAND VINTAGE 2006 × LE&
Vol.2 Fine craftsmanship for cuisine and wine


こちらもショーン・ガストンさんとの共訳です。

米田さんの哲学者のような言葉に、とても惹かれます。

調理の方法は何万とおりもある、しかし食べ手の脳内の表象としては、「快」か「不快」のどちらかのカテゴリーに収められてしまう。クリエイションの過程で「不快」に陥ってしまうこともある。「快」を作りあげることができたとき、既存の「快」とは大きく違うかけ離れた「快」だったとしたら、それを創造と呼べるのではないか。

言葉は正確ではありませんが、そんなような内容のお話が出て来て、膝を打ちました。

米田さんのやっている大阪のお店「HAJIME」に行ってみたい!

(ゆ)

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by brd | 2014-10-13 19:26 | 本や映画 | Comments(0)

カオパット・アメリカンとスパゲティ・ナポリタン

『LUCKY PEACH』っていう雑誌がストリートフード特集をやっていて、タイのカオパット・アメリカンなる料理を紹介していた。

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カオパット・アメリカン。

つまり、アメリカ風炒飯。

冷凍カット野菜と干しぶどう入りのケチャップ味チャーハンに、目玉焼きがのっていて、鶏の唐揚げとウィンナーの揚げたのが添えてある。

タイ料理なのか?

アメリカ料理、じゃないだろう。

というよりまず、かなりぞんざいそうな料理である。

記事では、チャーハンに添えられたソーセージに注目している。

タイにはサイクロークやサイウアなど美味しいローカルのソーセージがちゃんとあるけど、一方でいわゆる「ウィンナー」も食べられている。カオパット・アメリカンに添えられているのは、そういう袋詰めされてスーパーで売られているようなタイプの「ウィンナー」。

日本でいう脚の開いたタコ型のウィンナー(油で揚げてある)を、記事では「ウィンナー・ブロッサム」と呼んでいて、さらにこのウィンナー・ブロッサムをビニール袋に入れてソースプリックをまぶしたのだけを買うこともできるみたいだ。

正直言えば、タイでこんなの見た覚えがない。

でもきっと、それは自分がわかりやすいタイ料理にしか興味がなくて目に入らなかっただけで、記事に書いてあるとおりバンコクとかには普通に存在する屋台料理なんだろう。

下関さんに訊いたら、やっぱり、タイに住んでいたころはしょっちゅう食べていたそうだ。

長くバンコクに住んで、ある時期タイ料理的な味付けに飽き飽きして来て、なにかタイ料理的ではないものが食べたい。そんな時期に食べていたのが、カオパット・アメリカンなんだそうだ。

なるほどね。

外国人にとっては、良くも悪くもタイ料理っぽくないけれど、タイにしかないストリートフードには違いない。

素材はタイのものじゃないけど、文脈がタイなのだ。と、記事の筆者は書いている。

そういう意味でいうと、日本のスパゲティ・ナポリタンなどは、まさにその種の料理なんじゃなかろうか。日本料理には見えないし、もちろんナポリにも存在しないが、しっかり日本ローカルな文脈において愛されている料理。

日本料理マニアの外国人も、なかなかナポリタンには辿り着くまい。

しかし、日本のイタリア料理史を思うに、伊丹十三の本などでアルデンテという言葉を知り、ナポリタンなどイタリア料理ではない、とか言って真剣に怒ったりする時期があり、そのうちにイタリア料理も北から南で地方ごとにそのテイストは大きく異なる実体を知るにいたり、芯を残したパスタが全てではないとの認識も浸透。そのうちにスパゲッティナポリタンに懐かしい日本の昭和の香りを発見しちゃう懐古趣味もやってきて、老舗の喫茶店であえて昔ながらのナポリタンを注文してみたり、ホテルのダイニングなどが「ちょっと気取った大人のナポリタン」的なメニューを提供したりするのも、もう別に目新しくもなんともない。

そう考えると、なんだかナポリタンは日本の料理史において注目すべき料理のような気がしてこないか。

同じ意味で、カオパット・アメリカンも注目すべき料理なのだろうか。

ケチャップ味というのも共通しているし。

アジア人の欧米への憧憬。その種の分析がいくらでもできそうなネタではある。

記事の筆者Kris Yenbamroongさんは、ロサンゼルスで人気のタイ料理店「NIGHT+MARKET」をやっている注目の若手タイ人シェフらしい。

なるほど~。

そんな経緯でカオパット・アメリカンについて調べていたら、なんと渋谷でそれをメニューに載せているタイ料理店があるではないか。

(つづく)

(よ)

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by brd | 2014-10-11 12:27 | 本や映画 | Comments(13)

『料理通信』秋田発見ツアー その5 : 横手発酵物語「羽場こうじ店」「天の戸 浅舞酒造」

『料理通信』秋田発見ツアー、前回のつづき。最終回。

「旨めもの研究会」イチオシの大曲納豆汁を堪能した一行は、一路、横手市へ。

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中華そば「マルタマ」で、ご当地B級グルメ。

やったら広々した店内で、本日2回目となるランチを。

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あっさり透きとおった魚介スープに、太さが不均等な感じの細ちぢれ麺。具はシンプル。麩が入ってる。

納豆汁とご飯のあとでも、わりとスルスルっといけてしまった。食後感はラーメンというより、かけそばみたいな和のイメージ。たしかに、ラーメンというより「中華そば」と呼ぶのがふさわしい。

横手市十文字町は中華そばの街で、こういう類の中華そばを出すところがほかにも何軒かあるらしい。横手といえば、B-1グランプリでも優勝した「横手やきそば」が知られているけれど、これもなかなか。そのほか秋田のB級グルメといえば、二種類のカレーをあいがけするカレーライス「神代カレー」も食べたかった。ま、これは次の機会に。

「マルタマ」は中華そば以外にもいろんなメニューがあって、「焼肉中華」「ギョーザ中華」「たぬき中華」などが気になる。「中国ラーメン」は「中華そば」とどう違うのか、なんて言ってるうちに、またまた移動の時間がやって来た。

次なる目的地は、おなじ横手市にある「羽場こうじ店」

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麹と、麹をたっぷり使った味噌をつくる老舗だ。

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仕込んだばかりの味噌を見せてもらった。

味噌作りでは、大豆1:麹1の比率が普通だそうだが、ここでは大豆1:麹3。もっと麹が多い場合もある。三重麹味噌と言って、麹の風味が豊かになり、甘くまろやか。

その麹。

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できたばかりのを、麹室から出して見せてくれた。

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綿のように真っ白でほわほわの菌糸がおおいつくした麹は、なんだかとても愛おしく、どこか神秘めいてもいて、一同「おぉ・・・」という感じ。しばし無言で見とれる。

ちょっと、つまませてもらった

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口に入れてかみしめると、もろもろっと米がくずれ、独特の甘味が口内に広がる。これだけで、すでに美味しい。

よい麹は、菌糸が米の中までしっかり入り込み、米自体が縮んでいくそうだ。

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米に麹菌をうえつける粉状の種麹も見せてもらった。何種類もの種麹があり「これを間違うと、大変なことになるんですよ」とのこと。酒造用、味噌用など用途によってそれぞれ菌の種類が違うわけだ。

麹蔵からショップへ移動。もろもろのテイスティングタイム。

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甘酒は、さすが麹の香りが活きていて、よくあるベタっと甘い甘酒とは違う感じ。

「喜助みそ」三種、味くらべ。

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もちろん自慢の味噌で作った、

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お味噌汁も。

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さらに、リンゴの塩麹煮、大根のなた漬け、茄子の三五八漬け(写ってないけれど)、みそ漬けなど、もう麹三昧、味噌三昧。

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塩麹でつけた野菜の刻み漬け。

これだけ堂々たる発酵由来のおかずたちを目前にして、なにか足りないものが・・・。そう、やっぱり美味しいあきたこまちのご飯でしょう!

というわけで、気をきかせてくれた羽場こうじ店さん、しっかりご飯を炊いて用意してくれていた。

が・・・、納豆汁+ご飯→中華そば、のコースで相当にお腹いっぱい状態のツアー一同。

いや、自分はここでご飯、ぜんぜん大丈夫なんだけどなあ。みんな、ダメ?

どうしようかと悩んでいたら、昨日から同行してくれている羽後交通のバスガイドさんが夕食用のおにぎりにしてくれることに。なんて優しいこと!なんて気のきくこと!

あとは時間ギリギリまでショッピングタイムとなった。

そのまま料理に使ってもいいし、塩麹にしてもいいし、甘酒にしてもいい「羽場のこうじ」はもちろん、「喜助みそ」は絶対に買っていこう。

そして、隠れた名品が「たまり」。味噌造りの副産物だと思うが、なかなか出ないものらしい。ラベルも貼ってない瓶で並んでいたのを見つけ、これもすかさずゲット。自宅で試してみたら、これがまあとろんと濃厚で、ばつぐんに美味い! 醤油の代わりとして、おひたしや冷奴など、なにに使っても絶品だった。

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バスを見送ってくれた羽場こうじ店のみなさん。

さて次は、横手発酵物語、後編。

本ツアー最終見学ポイント、

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「天の戸」の浅舞酒造へ。

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なんとなく高島忠夫似、森谷杜氏。

この杜氏の話が、もう抜群におもしろくて、含蓄深くて、チャーミングで、まさに本ツアーのクライマックスにふさわしい。

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部屋のライトを落としてスクリーンに映像を投影しながらのレクチャー。ツアー終盤、そろそろぐったりしているはずの一行にも目の輝きがもどり、ぐいぐいと引き込まれていく。

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農薬を減らした結果、酒米の田んぼには虫が増えた。

虫が稲に巣をはっている。ふつう、こんなふうには目視できないけれど、天候の妙で巣に水滴がつき、反射する光をとらえた瞬間。

いかにも、米づくり、そして酒づくりのワンシーンといった美しい風景。

写真は杜氏本人の撮影。上手だ。

天の戸の酒は、蔵から半径5キロ以内の田んぼで収穫された酒米を使用している。まさに日本酒テロワール。

その大きな意味は、水。

酒米を育んだ水と、酒の仕込み水が、同じ水源であるということ。

で、その半径5キロをビジュアルでイメージするため、気球に乗って酒蔵の上空から地表を撮影。

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そして、半径5キロの円を描いて、こうしてみんなに見せる。

なんだか、お茶目(笑)。

と同時に、アーティスティック。

美味しい酒を造る杜氏、というだけにとどまらない独特路線の才能を感じ、一発でファンになった。

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さしすせそ(=砂糖・塩・酢・醤油・味噌)を、カッコ(=酒粕と麹)でくくる。

かっこさしすせそ。

つまり、酒造りに欠かせない麹と、酒造りと切っても切れない酒粕は、砂糖、塩、酢、醤油、味噌の5大調味料につぐ、第6、第7の調味料である、と。

話はすこし脱線するが、秋田弁で母さんのことを「あば」という。

そして「あば」よりもうすこしレベルの高い奥さん、というか、行事のときに晴れの日の料理を代表して作るような女性のことを「じゃっちゃ」というのだそう。

その「じゃっちゃ」の味つけを覚えた一般の母さんたちが、同じを味を各家庭に広めていくという習慣が、かつてあったそうで、そのときから麹で作った甘酒で甘味をつけたり、酒粕をかくし味にしたり、という手法があったそうな。

秋田はもともとは味醂文化ではないそうだ。

そこで、麹と酒粕が秋田の味を作ったのじゃないか、と。

うーん面白い、かっこさしすせそ。

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酒造りを左右する大事な水を味わう。

もちろん美味しい。

そして、この水場自体が、神聖な場所であるかのように神々しいオーラを放っているではないか。

新幹線の時間が恨めしい。急ぎ足のレクチャーを聞きながら、天の戸のお酒を試す。

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黒麹で仕込んだ「KURO」は一口ふくんだだけで、おっ?となる美味が広がる。酸が強調された今まで体験したことのない酒の味。

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山芋の酒粕漬け。

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チーズのような豆腐の酒粕漬け。

あぁ~もっとゆっくり飲んで、つまんでいたい。

でも、もう時間がないらしい。

新幹線に間に合わないと、まずい。

あたふたと、お酒を2本、そして酒粕、ではなく「酒香寿」をゲット。

この「酒香寿」がまたほんとに美味しくて、自宅でわさび漬けにしてみたら、かなり良かった。

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おみやげにもらった酒まんじゅうは、こまち38号にゆられつつ、ほんとんど食べてしまった。

バスガイドさんが握ってくれたおにぎりも、美味しくいただいた。

そうそう。

バスガイドさんといえば、天の戸から大曲駅までの車中でやったジャンケン大会の賞品として、自宅で実ったという渋柿をくださった。やわらかく熟すまで放っておいたあとに冷凍したら柿シャーベットとして美味しく食べられるというアドバイス。そのとおりに実行したら、本当にとろみのある濃厚な氷菓となって美味!

とにかく2日間でまわれる場所をすべて網羅しようと目論んだ、良い意味で欲深き秋田発見ツアーも、これでおしまい。

ふだん似たようなせわしない旅をしていたりするので、個人的にはまったく問題なく、むしろ良いペースだったのだが、みなさんはどうだったのだろう。

美味しいものをいただきながらも、森谷杜氏をはじめ、やっぱり人だな~と。ツアー一同を手厚くもてなしてくれた秋田の人たち、そして秋田県庁の方や、ツアー会社の方、そしてもちろん、料理通信のスタッフ、個性的な参加者のみなさん。とにかく人の魅力にあふれた旅だった。

個人的なことを言えば、2012年11月は、どういうめぐり合わせか、申し合せたような秋田月間だった。

本ツアーの翌週には、日本各県の食材でタイ料理を作るイベント「ヤム!ヤム!ソウルスープキッチン」が、なんと秋田特集。毎回、主催者が該当地域を取材して出会った生産者の食材をイベントで使用するが、地域的に男鹿から県北メインの食材チョイスで、偶然とはいえ、『料理通信』のツアーとは見事にかぶっていない。これもある意味、面白いなあと感じたり。

いずれ自分の足でも旅してみたい、秋田。

いま雪下ろしが大変そうですね。

みなさん、新年も元気でやってますか。

またお会いしましょう!

<2012年11月>

おわり。

(よ)

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by brd | 2013-01-07 22:27 | 秋田 | Comments(0)

『料理通信』秋田発見ツアー その4 : 角館のイタヤ細工づくり・大曲納豆汁と豆腐かまぼこ

『料理通信』秋田発見ツアー、前回のつづき。

「たざわこ芸術村 温泉ゆぽぽ」に一泊。ブッフェの朝食をとってチェックアウトし、観光バスで角館へ。

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あいにくの天気だったが、さすがみちのくの小京都。ふとした街角にも趣きあり。

一行が向かったのは「仙北市立角館樺細工伝承館」

ここで秋田の伝統工芸、イタヤ細工の体験学習に挑戦する。

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秋田弁のお父さんとお母さんによる実にフリースタイルな指導のもと、イタヤカエデの若木を割いた薄板を編んでいく。手芸や工作のたぐいに縁遠いこともあってか、日ごろ未使用の脳部位がなかなか起動せず。

こういう作業を大勢でやると、おのずと上手下手や、才能のあるなしが露わになってしまい、すこし緊張。この感じ、小学校時代の図工の時間っぽい。懐かしい楽しさ。思えば会場も学校の教室のようで、気がつけばもうみんな夢中。

薄板は乾くと折り曲げづらくなるので、適宜水につけたりしながら編み進んでいく。

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イタヤ馬の完成!

黄色い梱包用ロープでも、おさらい。見返りイタヤ馬にしてみた。

完成した瞬間のつぶやき

できた!の感激。タイムスタンプを見たら9時前。朝からみんなでこんな作業に没頭しているのも、結構レアな体験。やっぱり子ども時代を思い出す感覚。

一同を沸かせたのは、アメリカ人女性のツアーメンバーが作ったデザイナーズ・イタヤ馬。

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長い耳がカールし、尻尾が三本に枝分かれし、脚も長い。秋田 meets USA。というか、北欧の民芸のような(単なるイメージ)、非アジアの息吹にみな感心。

これに触発され、オリジナルに挑戦しはじめる者多数。薄板を半分の幅に裂き、ミニサイズのイタヤ馬を作ったりと、発展系スタイルがいくつも出来上がった。

おのおの自作のイタヤ馬を手に、お次は角館武家屋敷見物。

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雨だし、寒いし、チラ見で。

上の写真は松本家。バスガイドさんによれば、映画「たそがれ清兵衛」ロケに使われたんだそうな。

さらにその足で、「地酒処 君ちゃん」へ。

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試飲用のボトルが表にずらり。がっこをつまみに、何種類も地酒をためす。店内にはテーブルのある一角が用意されていて、熱い茶をすすりながら、またまたがっこをぽりぽり。まったり落ち着いてしまっている一団も。

地元酒蔵「秀よし」製の君ちゃんオリジナル「角館四季 冬 原酒」を一本と、「君ちゃん家のいぶりがっこ」をゲット。

さて先を急ぐべし。バスは花火で知られる大曲を目指す。

道中、休憩がてら寄った道の駅「なかせん」で気になったのが、

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これ。

秋田名物いぶりがっこの、漬ける前。つまり燻製&干した状態の大根。

ツアーメンバーの蕎麦職人さんが買ったのを二本ほどわけてもらうことに。自己流で、味噌だまりに漬けたり塩麹に漬けたりしてみたが、これがけっこうイケた。蕎麦職人さんはそばつゆのかえしに漬けてみたそうだ。そっちも美味そう。

そのほか、ここでは天然の山わさび、根っこも美味しそうな芹、辛味大根、りんご、枝つきの生唐辛子、そして秋田出身のツアーメンバーのお母さんが作ったという「ピーマン味噌」などなど一挙入手。

バスにもどったら、燻製大根の香りが車内に充満(笑)。

いぶりがっこ、昔は家庭の囲炉裏の上に干していたそうだ。きっと室内に干していたら偶然燻製になってしまい、漬けてみたら美味しかった、というのが起源なんだろう。なんてことを芳しい大根の香りを嗅ぎながら考えていると、ほどなくたどり着いたのは、大曲銘菓の店「つじや」

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ここの看板は豆腐かまぼこに、豆腐カステラ。

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伊達巻のようにロール状のが、豆腐かまぼこ。豆腐と白身の魚肉を甘く蒸しあげた郷土菓子で、味も伊達巻っぽい。

右上の四角いのが豆腐カステラ。豆腐かまぼこのタネに卵を加えて焼き上げたもので、ともにお菓子のような、おかずのような、懐かしいような、はじめての味。地元では、おせち料理やお茶うけとしての位置づけみたいだ。

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試食に出してもらったのをつまむ。手前の豆腐カステラ、いちばん向うの豆腐かまぼこ。その間にあるのが、これまた「つじや」の看板、三杯もち。

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三杯もちは、もちもち食感の羊羹のような菓子で、これまた親しみがわくと同時に新鮮な食味。「つじや」のは、他製品より小豆餡の比率が高いのだそう。『料理通信』のスタッフが「きな粉をつけて食べると美味しい」と言っていたので、帰宅後にためしたところ確かにベストマッチだった。

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一同「つじや」のお母さんの熱心な解説に耳をかたむける。

と、ふと気になるのは、うしろにある「大曲昭和四十三年会」の看板。

こ、これは・・・。

大曲に引っ越せば自分にも入会資格があるかも、と思っていたら、お母さんの息子さんで「つじや」の社長が大曲昭和四十三年会所属。さらに社長は地元で「旨めもの研究会」なるグループを組織し、大曲納豆汁を秋田郷土食として普及せんと、B級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」にエントリーするなど、多方面で精力的な活動を展開する地元名士なのだった。

うーむ、しかし残念。

当日、社長は所用で東京。入れ違いだった。

『料理通信』スタッフによると、前回取材で訪れたさいは「つじや」の話より納豆汁の話のほうが長かったそうで(笑)、これは食べなきゃ帰れないと、急きょ大曲納豆汁を味わいに行ったそうだ。

というわけで、本ツアーも同じコースをなぞるのである。

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すぐ近所の日本料理店「花よし」に用意されていた、大曲納豆汁。

お供は愛しのいぶりがっこ。

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お店の方たちの話を聞きながら、熱いうちに。

「旨めもの研究会」のウェブサイトに行けば大曲納豆汁のすべてが記してあるけれど、いちおう簡単に説明しておこう。

ざっくり言えば、すりつぶした納豆入りの味噌汁のようなもので、具は山菜になめこなど茸類、豆腐に里芋、あとはにんじんなど根菜が具となる。肉は入らない。納豆と味噌のダブルの旨み、そして納豆の粘りによる汁のとろみがじんわりとクセになる感じ。納豆をすりつぶすさいは、すりこぎを使うと粒が逃げるので、大根ですりおろすのだそうだ。

関東人にとって納豆といえば水戸だけど、秋田も「納豆発祥の地」の碑が立つほどの納豆王国。

大曲納豆汁は秋田のソウルフードなのだ。

オリジナル・イタヤ馬を作り上げたアメリカからの彼女は納豆が苦手だそうだが、この納豆汁は問題なく食べられたそう。

せっかくだからと一緒に出してくれたあきたこまちのピカピカご飯がすすむすすむ。一気にパクパクパク。

さて、食いしん坊ツアーはこのあとさらに、ご当地ラーメンで2度目のランチ予定!

つづく。

<2012年11月>

(よ)

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by brd | 2012-12-27 03:48 | 秋田 | Comments(6)

『料理通信』秋田発見ツアー その2 : 湖畔のビール醸造所&レストラン「ORAE」

『料理通信』秋田発見ツアー前回のつづき。

孫六温泉の湯上りに、キュ~ッとビールを一杯。

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一行がやってきたのは「湖畔の杜レストラン ORAE」

ここは、田沢湖畔の素晴らしいロケーションで営業しているブルワリー・レストラン。つまりビールの醸造所が併設されたレストランというわけ。

広大なダイニングに入るとまず目に飛び込んでくるのは、金色に輝く大きなビール仕込み釜がみっつ、そしてうしろには夕闇の小雨にけむる田沢湖の絶景。これだけで圧巻。

とにもかくにも、まずは一杯。

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ピカピカのビールサーバーからつぎつぎに注がれているのは、

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こまちラガー。

秋田こまちのお米を使って仕込んだオリジナルのビールで、キレがあって飲みやすい。夕飯は宿にチェックインしてからということで、ここではビールの試飲のみの予定だけれど、何かつまみがほしくなる。

醸造家の秋田美人による解説に耳をかたむけながら、さらにこまちラガーをグイっと。

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ビール醸造では、2釜式が普通なんだそうな。

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でも、ORAEは3釜式。

右から煮沸釜、まん中が濾過釜、そして左が「こまちラガー」に欠かせないライスクラッカー。米を糖化させるための釜で、ここ独特のもの。

さらに、

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上が秋田独自の酒米「秋田酒こまち」を使用した生産量限定の「天心」の見本品。

ふつうは「ORAE」で出していないそうだが、本日は特別に少量が用意されているということなので、さっそくオーダーすると、

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ラベルの貼られていない瓶で出てきた。

ふつうの「こまちラガー」より、さらに苦味が少なくさらっとしており和食に合いそうな感じがする。それでいて上品な苦味の余韻が長い。

東京なら伊勢丹で買えるんだとか。

とにかく限界までスケジュールをつめこんだ、よくばりツアー。時間が限られているのが残念だが、食事のメニューをぱらぱらチェック。

すると、「田沢湖産きのこのオリーブオイルマリネ」「田沢湖産のニジマスのスモークのピッツァ」「田沢湖の長芋と茸のはいった稲庭うどん」「比内地鶏のグラタン」「秋田銘柄豚『桃豚』のカツカレー」「西明寺栗のケーキ」などなど・・・秋田産の素材を活かしたそそられる料理がズラズラと。

あ~また来るしかない!

売店で、これまたそそられるお土産を。

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まず、今回テイスティングした米の使われたビールとは、また別タイプのコクのある「デュンケル」と「天涯」を購入。

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さらに、さなづら液も。

「さなづら」は山葡萄の液をゼリー状にかためた秋田銘菓だけど、これはビールとカクテルのように合せて飲むための山葡萄のジュース。「天心」とあわせるとベストマッチだそう。

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あと外せないのは、オリジナルの「行者にんにくソーセージ」。

これ、ビールに合う!茹でると、それだけで行者にんにくの食欲をそそられる香りが。茹でたあとフライパンで表面だけカリッとさせて、ビールのおつまみに。

ちなみに、

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韓国ドラマ『IRIS アイリス』の撮影が、ここ「ORAE」で行われだんだとか。出演のイ・ビョンホンさんとキム・テヒさんは「デュンケル」と「こまちラガー」を飲んだそうな。へ~。

なんて感心している暇もなく、無情にもバス出発の時間がやってきた。

30分ほど走って、

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今夜の宿泊地、「たざわこ芸術村温泉ゆぽぽ」に到着。

さあ、夕食の時間!

つづく。

<2012年11月>

(よ)

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by brd | 2012-11-28 02:45 | 秋田 | Comments(0)

『料理通信』秋田発見ツアー その1 : ごっつお玉手箱列車は旅と食のエンターテイメント

『料理通信』2012年11月号。

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本号掲載の「食の文化遺産巡り 第12回 秋田」、最後のページにあった「秋田発見」プロジェクト・モニター募集に応募したら、当選した。

記事で紹介されていた麹蔵やブルワリー併設レストランなどを中心に、角館、田沢湖、乳頭温泉、大曲、横手を巡りながら、秋田の食を満喫する一泊二日のツアーだ。

個人的に秋田というと、しょっつる、はたはた、なまはげ(食べ物ではないけど・笑)、の3つが即座に思い浮かぶが、これらはすべて日本海側に突き出た男鹿半島の名物。一方、今回はどちらかというと岩手寄りの内陸部を行くコースで、恥ずかしながら何があるのかあんまり知らない。そのぶん楽しみでもある。

11月某日、一行はまず東京から秋田新幹線こまちで、みちのくの小京都、角館へ。

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昼ごろ、角館で秋田内陸線に乗り換え。

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三両編成の先頭には、桜と紅葉がペイントされた要予約のお座敷列車が連結している。

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これこそ、本ツアー最初のアトラクション、「ごっつお玉手箱列車」

角館を出発し、つぎつぎ駅に停車するたび沿線農家のお母さん(一部、お父さん)が、ごっつお(ごちそう)を運び込んでくるという、開催日限定のイベントお座敷列車だ。

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各席に、おしながき。

毎回、テーマがあるようで今回のお題は「栗・くり・クリ」。

ちなみにパンフレットにあった別の日のテーマを紹介しておくと、9月が「夏バテ解消」、12月が「年越し・正月料理」、1月が「もちもち寄せて」、2月が「雪国保存食」、3月が「春よ来い!」、といった感じ。

まず出てきたのは、

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「弘子さんの焼き栗」。

おしながきには、持ってきたお母さんの名前も書いてある。栗はつぶが大きい地元の西明寺栗。

つづいて羽後太田駅では、

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「けい子さんの干し柿」。

かじると中はジャムのようにトロりと柔らかく、とても甘い。

かわいらしいピンクのリボンで袋をとめてある。

さらに西明寺駅からは、

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「佳子さんのつけもの」。

つけものは秋田弁で「がっこ」。左手前の茶色いのが、燻製にした大根をつけた秋田名物いぶりがっこ。

八津駅からは、

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「節子さんのおそば」。

羽後長戸呂駅からは、

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「富士美さんの栗ご飯」。

松葉駅からは、

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「勝子さんのおかず」。

煮物や、きのこソースがかかった鮭のムニエル風や、かぼちゃのグラタン風、いちじくの甘煮など、じつに家庭料理っぽいおかずの数々。

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「昭子さんの栗のスイーツ」は、西明寺栗の渋皮煮。赤ワインをつかった、なんだかおしゃれな味。

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さらに、おやき。

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お土産に、生の西明寺栗。

こうやって順々に出されると、すべての食べ物を一度に写真に収められない。そう不満を抱く観光客がいることを知っている主催者は、

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撮影用「ごっつおセット」を、端の席に用意してくれていた。なんとまあ親切な。

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漢字の読みが変ってる笑内(おかしない)駅に着けば、1時間あまりにわたって展開されてきた「ごっつお玉手箱列車ツアー」のゴールも間近。

県内最長、一直線で中ほどから入り口と出口が見える十二段トンネルを通過すると、絶景ポイント、大又川橋梁へ。

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列車も徐行して景色を眺める時間を作ってくれる。

ごっつお玉手箱列車は、手作りフィーリングあふれる旅と食のエンターテイメントだった。

移動しながら景色を楽しむ感覚にプラスして、通過するそれぞれの場所から微笑ましい手料理が届けられる楽しさが折り重なる。一見素朴なようでいて、実はこれ、けっこうリッチな移動の楽しみ方だ。列車に乗って土地の名物駅弁を食べたりするのは普通だけど、その楽しさが列車に乗っている間じゅう駅ごとずっと続くわけだから。

干し柿を作ったけい子さんは、この日の宿の夕食に参加してくれた。そこで、玉手箱列車のあるお客さんが「食べ物を出す順番が違うんじゃないか?」と言ってた、と笑う。

ある程度出すものの順番は考えてるんだろうけど、基本的に農家のお母さんたちは自分の近い駅に料理を届けるわけで、出てくるものの順番はしょうがない。「そのお客さんは秋田の人だった」と言って、けい子さんは2度笑っていた。

そもそも玉手箱なんだから、何がどう出てくるかわからないのが醍醐味だ。

けい子さんによれば、もっと速度を落とした、ゆっくり走る玉手箱列車の計画もあるとか。

確かに、駅に着いて手作り料理が運び込まれ、写真撮影してから食べて、仲間と感想を言い合ったりしていると、ゆっくり外の景色を見る間もなく、次の駅に着いてしまう。

もっと長閑な、ゆっくり列車でいい。

しかし、別の車両には一般乗客も乗ってるんじゃなかろうか。ゆっくり列車はまずいか。

そんなことを考えている間に、阿仁合駅へ到着。

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一行はここで下車。

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盛大に見送られながら、観光バスに乗り換え、内陸線と併走する羽州街道を、もと来た方向に戻る。

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ほんとうに熊は出るのだろうか。

内陸線、比立内駅ちかくの、道の駅「あに」内の「またたび館」で土産を探す。

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おぉ、いきなり熊肉。そして、馬ホルモン。

ここはマタギの里。

内陸線に「阿仁マタギ」という駅もあった。

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熊の油も。

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これは見慣れぬ、トンビ舞茸。

「お茶っこにして飲んできゃんせぇ」とラベルに。

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こちらは、茶色いトンビ舞茸。

きけば、いわゆる舞茸とは違う種類の茸らしい。

味比べをしようということで、ある参加者が茶色のトンビ舞茸を購入したので、こちらは黒いのを。

あとで飲んだら、お茶というより茸だしがでたスープみたいな感じ。塩を入れてもいいよ、と店の人。

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またたびラーメンは、またたびの粉を麺に練りこんであるらしい。どんな味なのか。

「またたび館」の店名どおり、またたびの産地らしい。

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たわむれに、またたびの木を購入。近所の猫に効果絶大。

土産物色が楽しい。

道の駅をあとにし、さらに走って田沢湖を通過。一行は乳頭温泉郷へ。下車して小雨ぱらつく山道をてくてく歩くと、孫六温泉にたどり着いた。

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硫黄の香りが漂う露天に浸かると、ピリッと肌にしみるようなここちよさ。

人里はなれた風情は、まさに秘湯。

あぁ、ゆっくり命の洗濯・・・なんて時間はもちろんなく、よくばりツアーは早々に次の目的地へと向う。

つづく。

<2012年11月>

(よ)

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by brd | 2012-11-22 02:29 | 秋田 | Comments(2)

『料理通信』秋田発見プロジェクトモニターツアーに参加してきた

Joined a trial tour to rediscover the attraction of Akita hosted by "Ryoritsushin", a monthly magazine specialized in food. During the tour, we visited many places offering delicious local specialty including the following. We will introduce more details of each specialty through this blog.. [November, 2012]

『料理通信』誌主催、「秋田発見プロジェクト・モニターツアー」に参加した。

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「羽場こうじ店」の、こうじ蔵見学。

中は温度と湿度を高く保ってあるので、カメラのレンズがくもってしまう。

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B1グランプリにも参戦した、大曲納豆汁。

納豆はすりおろしてあって、とろんとした納豆のぬめりとうまみが食欲を刺激する。日本料理「花よし」にて。

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秋田の地酒「天の戸」の浅舞酒造見学。森谷杜氏の話がおもしろくて、酒も最高なんだけど、なにかアーティスティックなセンスをびんびん感じてしまう。レクチャーで映写された写真も、ご自分で撮影していたりして、その写真がまた上手。

などなど。

さっき帰ったばかりだけど、興奮さめやらず、かるく記事にしてみた。

近日中に詳細をアップ予定。

@oishiisekai ではリアルタイムでツイートしてみました。

(よ)

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by brd | 2012-11-19 02:32 | 秋田 | Comments(6)

在タイ女子向け日本語フリペ『Arche+ アーチプラス』Vol.3 ~カンボジア・シェムリアップおしゃれ旅~

"Arche+ Vol.3" was issued. This issue features "Let's go a relaxing and fancy trip to Siem Reap”  Siem Reap, Cambodia used to be a Mecca for backpackers. But, according to the magazine, as a result of rapid development, we can now choose stylish design hotels, restaurants, cafes, fashion boutiques, general stores, and spas from several options.. [November, 2012]

毎号紹介している在タイ女子向け日本語フリペ『Arche+ アーチプラス』のVol.3が届いた。

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特集
Arche+的アンコールワットへの旅
シェムリアップ
のんびりおしゃれ旅


カンボジアのシェムリアップは、アンコールワット観光の起点となる街で、いまや首都プノンペンより注目されていると言ってもいい。

特集では、デザインのかっこいいブティックホテルをはじめ、レストラン、カフェ、雑貨やお土産のショップ、スパやマッサージを何軒も紹介。

ひと昔前なら、どちらかというと物好きなバックパッカーや、世界遺産大好きのマニアな旅行者が多そうなシェムリアップだったけど、現在はオシャレ女子が「どのホテルがステキかな、どのレストランが雰囲気いいかな」と選べるまでに急速な発展を遂げているのだとか。

しかもバンコクからなら、さくっと1時間で飛べる。実にうらやましい!

(よ)はかれこれ十数年前に行ったきりだから、興味津々。

特集記事で紹介されている店で個人的に気になったのは、“モダン・クメール料理”の「The Square24 スクエア24」

クメール料理とは要するにカンボジア料理のこと。近いうちカンボジアで伝統的なクメール料理をしっかり味わってみたいと願っている(よ)だが、こういうモダン系にも目がない。しかも、好みの肉、魚、野菜を選んで料理してもらえる「クリエイティブ」というメニューがあるんだとか。面白そうだ。ぜひ訪問してみたい気がする。

シェムリアップおすすめスポットの紹介者として名を連ねているカンボジアの日本語フリペ『クロマーマガジン』も、ぜひ読んでみたいと思った。

『クロマーマガジン』の執筆者のひとりにクーロン黒沢さんの名前があるけど、昔からファンだし原稿を受取ったりしたこともあったなぁ。ある意味、カンボジアの変化を感じさせる名前だ。個人的に、ではあるけれど。

シェムリアップ、日本のみなさんもぜひ。・・・と言うほど日本からは気軽に行けないかもしれないけど、タイ旅行にからめてアンコールワットまで足を延ばすなんてのは全然アリだ。ぜひぜひ。

さて。

第2特集。

バンコクの「コンセプトレストラン」で紹介されていた“監獄レストラン”「THE ROCK」が笑ってしまった。

客は囚人として監獄にぶち込まれる設定(笑)。「大量殺人のカレー」という物騒な名前のカレーや、しびんでサーブされるビール、タレが注射器に入った餃子、などなどメニューもムードたっぷり。囚人たちのための更生メニューはタイ料理と日本料理だそうだ。こういうコンセプトレストランは東京でも珍しくはないけれど、個人的にはめったに行かない。でも、バンコクなら行ってみようかなという気になったりして。

そして。

毎号気になる音楽コラム「アンダーグラウンドで会いましょう」は、80'sっぽいロックバンド「WORLD NOT BAD」を紹介。初期のトーキングヘッズやXTCっぽいような80年代のパンク・ニューウェーブな感覚、かつイキのいい若い音。

まったく話はそれるが、タイにおいてニューウェーブ&80'sなイメージというと、個人的にはFutonというバンドを思い出す。解散しちゃったのかな? かなりファンだった。横浜で野宮真貴さんがゲストに来たステージを観たけれど、かっこよかったなあ。

本筋とはまったく関係ないところで、いろいろ昔の個人的なアレコレを思い出した『Arche+』Vol.3でした!

(よ)

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by brd | 2012-11-16 23:20 | 本や映画 | Comments(2)


旅の食卓と食卓の旅。ferment booksより『味の形 迫川尚子インタビュー』発売中。姉妹ブログ【ワダ翻訳工房】もどーぞ。ツイッターは @oishiisekai @fermentbooks


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