香港クラフトビア・ツアー <その3> HK BREW CRAFT / Beer & Fish / TIPPNG POINT
<その2>のつづき。
中環のホームブルーイング・ショップ、HK BREW CRAFTに行ってみた(香港はビールの自家醸造が合法)。
ビルの上の方にあって、ちょっと場所がわかりにくかったので、たどり着くまで少し迷った。
棚の奥は、ホームブルーイングのワークショップを行うスペースになってる。
ホームブルーイング関連用品と、ボトルビールも置いてある。
ボトルビールの棚。
日本の常陸野ネストや馨和もあった。
スタッフに香港のブルワリーのボトルを並べてもらって撮影。
左からMOONZEN、gwei-lo、HONG KONG BEER。
こっから何本か購入してみた。
☆
やっぱりクラフトビールといえば、中環。
かわいらしい概観のビアパブ「Beer & Fish」を発見。
ドラフトは4種。
<その1>でブルワリー見学してきたヤングマスターのスパイス・ポーター、gwei-loのイングリッシュ・ペールエール、ローグのIPA、エピックのベルジャン・ストロング・ダークエール。
こういうグラスで出てくる。
鬼佬(gwei・lo)って広東語で「外人」とか「毛唐」(!)みたいな意味らしい・・・。
The Redefinitionとか言って、ここにいろいろ書いてある。
☆
こんなとこにも寄ってみた。
TIPPNG POINTというブルーパブ。
ゲストドラフトの中の香港クラフトとしては(九龍)Nine Dragons Breweryがオンタップしてた。
<その4>につづく。
中環のホームブルーイング・ショップ、HK BREW CRAFTに行ってみた(香港はビールの自家醸造が合法)。
ビルの上の方にあって、ちょっと場所がわかりにくかったので、たどり着くまで少し迷った。
棚の奥は、ホームブルーイングのワークショップを行うスペースになってる。
ホームブルーイング関連用品と、ボトルビールも置いてある。
ボトルビールの棚。
日本の常陸野ネストや馨和もあった。
スタッフに香港のブルワリーのボトルを並べてもらって撮影。
左からMOONZEN、gwei-lo、HONG KONG BEER。
こっから何本か購入してみた。
☆
やっぱりクラフトビールといえば、中環。
かわいらしい概観のビアパブ「Beer & Fish」を発見。
ドラフトは4種。
<その1>でブルワリー見学してきたヤングマスターのスパイス・ポーター、gwei-loのイングリッシュ・ペールエール、ローグのIPA、エピックのベルジャン・ストロング・ダークエール。
こういうグラスで出てくる。
鬼佬(gwei・lo)って広東語で「外人」とか「毛唐」(!)みたいな意味らしい・・・。
The Redefinitionとか言って、ここにいろいろ書いてある。
☆
こんなとこにも寄ってみた。
TIPPNG POINTというブルーパブ。
ゲストドラフトの中の香港クラフトとしては(九龍)Nine Dragons Breweryがオンタップしてた。
<その4>につづく。
#
by brd
| 2016-05-08 04:29
| 香港
香港クラフトビア・ツアー <その2> The Roundhouse Taproom / Q Club
<その1>のつづき。
中環のビアパブ、The Roundhouse Taproomへ。
タブレットのメニューからあれこれ物色。
Roundhouseのオリジナルビールや、
香港のBlack Kiteや、
上海のBOXING CATやら、
北京の京Aなどの中華クラフトを中心に味わう。
ベルジャンセゾンに花椒とか、面白い。
中華クラフト以外のオンタップは、ブリュードッグ、ミッケラー、スティルウォーター・アーティザナル、ローグとか、そういう感じ。
フードはこういう感じのをオーター。
ビアパブの食事としては、ありがちな気がしたけれど、クオリティは悪くなかったと思う。
ソースがいろんな種類あったりして。
フレンチフライも。
壁に貼ってあったコースターとか。
さて。
このRoundhouseの隣にあるこの「Q Club」というスーパーマーケットのビールの品揃えが、やたらとアメリカンなんですよ。
外観は、一瞬おしゃれっぽく見えるんですが、中はほんとに普通のスーパーです。
冷蔵庫がこんなことに。
ローグ、ラグニタス、フルセイルに、ソノマ・サイダー。
バラストポイント、グースアイランド、アンカー、コナ。
ドッグフィッシュヘッドとかもあった。
アンカーのクリスマス用マグナムボトルも。
フツーに洗剤とかお菓子とか売ってるスーパーなんですがね。
Roundhouseに行ったら、話しのタネにちらっと寄るもよし。
<その3>につづく。
中環のビアパブ、The Roundhouse Taproomへ。
タブレットのメニューからあれこれ物色。
Roundhouseのオリジナルビールや、
香港のBlack Kiteや、
上海のBOXING CATやら、
北京の京Aなどの中華クラフトを中心に味わう。
ベルジャンセゾンに花椒とか、面白い。
中華クラフト以外のオンタップは、ブリュードッグ、ミッケラー、スティルウォーター・アーティザナル、ローグとか、そういう感じ。
フードはこういう感じのをオーター。
ビアパブの食事としては、ありがちな気がしたけれど、クオリティは悪くなかったと思う。
ソースがいろんな種類あったりして。
フレンチフライも。
壁に貼ってあったコースターとか。
さて。
このRoundhouseの隣にあるこの「Q Club」というスーパーマーケットのビールの品揃えが、やたらとアメリカンなんですよ。
外観は、一瞬おしゃれっぽく見えるんですが、中はほんとに普通のスーパーです。
冷蔵庫がこんなことに。
ローグ、ラグニタス、フルセイルに、ソノマ・サイダー。
バラストポイント、グースアイランド、アンカー、コナ。
ドッグフィッシュヘッドとかもあった。
アンカーのクリスマス用マグナムボトルも。
フツーに洗剤とかお菓子とか売ってるスーパーなんですがね。
Roundhouseに行ったら、話しのタネにちらっと寄るもよし。
<その3>につづく。
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by brd
| 2016-05-07 00:26
| 香港
香港クラフトビア・ツアー <その1> Young Master Ales
昨年(2015年)末にわれら【美味しい世界旅行!】が(勝手に)催行した香港クラフトビア・ツアーの様子を、さくっと写真中心に紹介していきます。
全体的な印象としては、香港、けっこう盛り上がっていると思いました。
まず、クラフトビール醸造所「Young Master Ales」のブルワリー見学。
Young Master Alesは、香港島の端っこにある小さな島、鴨脷洲の、
こんな工業ビルの一角にある。
4階です。
エレベータを降り、殺風景な廊下を歩いていくと、
Young Masterの看板が。
5種ビールテイスティングとブルワリーツアーで150HKD。
テイスティングを行うタップルームはこんな感じ。
窓の外は海で、気分が良い。
タップはこんな。
ライ・オン・ウッドと名づけられたライ麦のビール。
木の棒のようなものは、オーク樽を使わずしてステンレスタンクに沈めておくだけでビールにオーク香つけるための器具。
こちらは、ちょうどシーズン(2015年12月訪問)だったスパイシーなクリスマスポーター。
シナモンやクローブなどなど、ビールに使ったスパイスの入った瓶を見せてくれた。
テイスティングが済んだら、醸造施設の見学へ。
見学ツアーは英語と広東語が選べて、所要時間は20分くらい。
タップルームでビールをサーブしてくれた彼が見学ツアーのガイドも担当。
これから作るサワーエールに使うというライムの実も見せてくれた。
別れ際、彼に『クラフトビール革命』献本。
日本語だから読めないけど、日本人が来たら宣伝してくれるって^^
お返しにということで、Young Master AlesのTシャツくれた。
これがヤングマスターのTシャツ。
多謝!
<その2>につづく。
全体的な印象としては、香港、けっこう盛り上がっていると思いました。
まず、クラフトビール醸造所「Young Master Ales」のブルワリー見学。
Young Master Alesは、香港島の端っこにある小さな島、鴨脷洲の、
こんな工業ビルの一角にある。
4階です。
エレベータを降り、殺風景な廊下を歩いていくと、
Young Masterの看板が。
5種ビールテイスティングとブルワリーツアーで150HKD。
テイスティングを行うタップルームはこんな感じ。
窓の外は海で、気分が良い。
タップはこんな。
ライ・オン・ウッドと名づけられたライ麦のビール。
木の棒のようなものは、オーク樽を使わずしてステンレスタンクに沈めておくだけでビールにオーク香つけるための器具。
こちらは、ちょうどシーズン(2015年12月訪問)だったスパイシーなクリスマスポーター。
シナモンやクローブなどなど、ビールに使ったスパイスの入った瓶を見せてくれた。
テイスティングが済んだら、醸造施設の見学へ。
見学ツアーは英語と広東語が選べて、所要時間は20分くらい。
タップルームでビールをサーブしてくれた彼が見学ツアーのガイドも担当。
これから作るサワーエールに使うというライムの実も見せてくれた。
別れ際、彼に『クラフトビール革命』献本。
日本語だから読めないけど、日本人が来たら宣伝してくれるって^^
お返しにということで、Young Master AlesのTシャツくれた。
これがヤングマスターのTシャツ。
多謝!
<その2>につづく。
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by brd
| 2016-05-05 22:41
| 香港
富山に帰れず荻窪の「魚津」へ。
毎度告知めいた投稿ばかりになりがちなので、今後は食べ歩きブログらしい記事を増やすぞ宣言です。
GWに富山に帰れるかなーと思っていたのですが、果たせず・・・。
だからというわけでもないですが、ちょっとした打ち上げで魚津へ。
魚津といっても、荻窪の居酒屋「魚津」です。
まずは、
富山産イカの盛り合わせ。
丸ごとホタルイカのお刺身、おいしかったのでお代わりしました。
TVを見てたら、富山でのホタルイカの「身投げ」のリポートをやってて、県外からも大勢、身投げのホタルイカを獲りに来ていると知りました。TVでやるとヘンに流行ったりするのでやだなあ。
お酒は満寿泉、太刀山、勝駒・・・。
白海老の揚げもの。
旬の定番です。
げんげの竜田揚げ。
ふりむけば、げんげ解説が壁に(笑)。
実は、富山ではあんまり食べた記憶のない魚ですが(家族が嫌いだったからw)、東京の通人たちは「げんげ、げんげ」と嬉しそうです。
にぎす。
これを頼んだら店長さんらしき人が、なぜかニコニコとたいへん喜んでくれ、少しお話しする。
富山では家庭料理の定番です。
旬の山菜の天ぷら。
山菜は富山産とのことでした。
あら汁。
シメの、鯖棒寿司。
とろろ昆布おにぎり。
富山では頻出メニューですw とろろ昆布は黒い(色が濃い)ものを使った方が味がしっかりしてて好きです。
インテリア(?)も富山のスタンダードな居酒屋風で、しかもリーズナブルでよかったです。また行こう。
GWに富山に帰れるかなーと思っていたのですが、果たせず・・・。
だからというわけでもないですが、ちょっとした打ち上げで魚津へ。
魚津といっても、荻窪の居酒屋「魚津」です。
まずは、
富山産イカの盛り合わせ。
丸ごとホタルイカのお刺身、おいしかったのでお代わりしました。
TVを見てたら、富山でのホタルイカの「身投げ」のリポートをやってて、県外からも大勢、身投げのホタルイカを獲りに来ていると知りました。TVでやるとヘンに流行ったりするのでやだなあ。
お酒は満寿泉、太刀山、勝駒・・・。
白海老の揚げもの。
旬の定番です。
げんげの竜田揚げ。
ふりむけば、げんげ解説が壁に(笑)。
実は、富山ではあんまり食べた記憶のない魚ですが(家族が嫌いだったからw)、東京の通人たちは「げんげ、げんげ」と嬉しそうです。
にぎす。
これを頼んだら店長さんらしき人が、なぜかニコニコとたいへん喜んでくれ、少しお話しする。
富山では家庭料理の定番です。
旬の山菜の天ぷら。
山菜は富山産とのことでした。
あら汁。
シメの、鯖棒寿司。
とろろ昆布おにぎり。
富山では頻出メニューですw とろろ昆布は黒い(色が濃い)ものを使った方が味がしっかりしてて好きです。
インテリア(?)も富山のスタンダードな居酒屋風で、しかもリーズナブルでよかったです。また行こう。
#
by brd
| 2016-05-01 00:54
| 富山
『クラフトビール革命』のおさらい
東京ビアウィーク2016に参加した「ECODA HẺMのクラフトビール革命 with 常陸野ネストビール」も大盛況のうちに終了。
本イベントの開催にあたり、翻訳書籍『クラフトビール革命』のおさらいを、翻訳者みずからFBにアップしました。
https://www.facebook.com/oishiisekairyoko/posts/593842944114509
https://www.facebook.com/oishiisekairyoko/posts/594219044076899
https://www.facebook.com/oishiisekairyoko/posts/594640537368083
上記テキストのアーカイブです。
☆
「革命」なんて大げさなタイトルがついているこの本。
でも、おいしいものが社会を変えてしまったという、楽しい革命の物語なのです。
ここでは『クラフトビール革命』の概要から、「ECODA HẺMのクラフトビール革命 with 常陸野ネストビール」までの流れをささっとお伝えしますね。
<禁酒法、そして大量生産の時代に>
1920年、禁酒法施行。これにより、アメリカでは、ビール醸造所がほぼ壊滅してしまいました。それ以前は、ビールを手作りする醸造所が無数にあり、多くの人が近所の醸造所からビールを買って楽しんでいました。
流通も工業化も、今のように進んでいない時代。自然とそうなっていたのですね。
1933年、禁酒法がようやく廃止。その後、醸造所も徐々に復活したのですが、そのころには工業化の大きな波が押しよせ、流通手段も発達。力の弱い小さな醸造所は淘汰され、気がつくとビールは、大手企業の商品がほとんどになっていました。工場で大量生産された薄いビールがあたりまえの状況になってしまっていたのです。
と同時に、アメリカでは公害問題が悪化したり、かつて栄えた工業都市が荒廃してしまったり、都会の中心地もスラム化して危険地帯になったりと、人びとの生活環境が悪化していました。また、食品の大量生産化にともない、食事の味もイマイチに。人びとの健康にも暗雲がたちこめる状況となっていたのです。
<クラフトビール醸造所が4000軒を超えた>
二次大戦後の好景気のあと経済が下降していったアメリカ。過疎の村で、産業がすたれた中堅都市で、大都市のスラム街で・・・。あちこちにクラフトビールの醸造所がどんどん生まれました。
1960年代にたった一軒からスタートし、現在ではなんと4,000軒をこえています。
そんなクラフトビール醸造所に共通する理念は、なるべく地元産の厳選した材料を使った手作りビールを作ること、そして、地元に貢献し、地元とともに繁栄すること。
地元の生産者を育てれば、安全で質の良い食材が手に入りやすくなり、そうしてできた美味しいビールが評判になって人が集まるようになれば、街も活気をとりもどし、人々の暮らしも向上してビールをたくさん買ってくれる。そして人々は安全で質の高いビールで、美味と健康を享受できる。
これが、クラフトビール革命の真髄です。なんとも幸せな革命ですよね。
本書によると、これが成功し、周辺の地域をよみがえらせた醸造所がたくさんあるのだとか。
著者のブルックリン・ブルワリーの地元であるブルックリンのウィリアムズバーグも、醸造所たちあげ時は、バーが一軒しかない寂しい状態だったのが、今ではNY随一のお洒落エリアとしてにぎわっています。
<政治と経済、そして消費者の意識変革>
とはいえ、社会を変えるのに苦労はつきもの。
醸造所をたちあげて経営を成り立たせるだけでも相当に大変なのですが、初期の醸造所たちは不屈の精神で市場をゼロから拡大していきます。
さて、革命という大きな変化を起こすには、法律も変えなくてはなりません。
醸造所たちは協会などを結成して力を合わせ、ロビー活動などを慎重かつ粘り強く展開。法律の改訂に成功し、業界の成長をうながしていくのです。
また、少ないコストで最大効果をねらったマーケティング方法をあみだしたり、流通の方法を工夫したり・・・ありとあらゆる方法を駆使します。
このように、送り手側の血のにじむような努力があったことはもちろんですが、大きな変化が起きるにはその受け皿も必要です。
昨今のアメリカでは消費者の方も、地元を成長させることに熱心で、安全でおいしい商品を売ろうとする業者のものを特に積極的に買おうとする姿勢が強いそうです。
投資家も、クラフトビールの醸造所というと積極的に投資してくれる傾向が強いとか。
さらに、業界の情報を発信する出版社や、ネット業者もかなり効果的にビール情報を提供しているようです。
<江古田でも・・・>
そんなこんなで、1960年代にゼロから始まったクラフトビール業界も、今や日本のビール市場全体をゆうに上回る2兆5千億円規模! 毎年10%代の成長率でのび続けています。
クラフトビールが特に盛んなコロラド州ではなんと、醸造所の創業者が州知事になったうえに、その知事の名が今年の大統領選候補にあがるまでに。そのうちクラフトブルワー大統領まで誕生したりして・・・!?
ビールは、品質を高める技術は難しいながらも、数週間で製造できる意外に手軽な飲みもの。だから各地に普及しやすかったのかな・・? などと想像してしまいます。
しかし、著者も本書の巻頭でほのめかしていますが、同様の動きは、ビールのみならず、チーズ、パンなど、ほかの食品にも起きていそうです。
おいしいものを食べられて、地元もうるおって、健康になれて・・・いやあこんな楽しい革命はありませんよね。詳しいお話しは、ぜひ『クラフトビール革命』を読んでみてください!
さてそんなわけで、「ECODA HẺMのクラフトビール革命 with 常陸野ネストビール」では、わたしの地元・江古田を代表するベトナム料理店ECODA HẺMさんと協力。
店主・足立さんの故郷、茨城を拠点に、ブルックリンラガーも醸造する常陸野ネストビールさんもここに加わり、なんとなんと、お店オリジナルのクラフトビールを醸造することになりました。
本格的な上に、料理としてのレベルも高いECODA HẺMさんのベトナム料理。おなじみのベトナムや東南アジアの有名ビールといただくのも旅情豊かで楽しいのですが、手作りのクラフトビールとあわせてみると、味覚の世界がひろがり、深い満足感が味わえるのです。
言葉ではいい表しにくいので一度体験してみてください。エスニック料理とクラフトビールを合わせること自体、まだそれほど多くはないので、ちょっとした新しい味の世界を体験できるという感じです。
都内にしてはちょっと寂しい練馬区。ECODA HẺMさんのクラフトビールが人気になって、練馬区江古田の名物が増えたらいいな。アメリカのクラフトビール革命と比べると随分とささやかではありますが(笑)、「ECODA HẺMのクラフトビール革命 with 常陸野ネストビール」が成功しますよう。
Cheers!
翻訳者・和田侑子
本イベントの開催にあたり、翻訳書籍『クラフトビール革命』のおさらいを、翻訳者みずからFBにアップしました。
https://www.facebook.com/oishiisekairyoko/posts/593842944114509
https://www.facebook.com/oishiisekairyoko/posts/594219044076899
https://www.facebook.com/oishiisekairyoko/posts/594640537368083
上記テキストのアーカイブです。
☆
「革命」なんて大げさなタイトルがついているこの本。
でも、おいしいものが社会を変えてしまったという、楽しい革命の物語なのです。
ここでは『クラフトビール革命』の概要から、「ECODA HẺMのクラフトビール革命 with 常陸野ネストビール」までの流れをささっとお伝えしますね。
<禁酒法、そして大量生産の時代に>
1920年、禁酒法施行。これにより、アメリカでは、ビール醸造所がほぼ壊滅してしまいました。それ以前は、ビールを手作りする醸造所が無数にあり、多くの人が近所の醸造所からビールを買って楽しんでいました。
流通も工業化も、今のように進んでいない時代。自然とそうなっていたのですね。
1933年、禁酒法がようやく廃止。その後、醸造所も徐々に復活したのですが、そのころには工業化の大きな波が押しよせ、流通手段も発達。力の弱い小さな醸造所は淘汰され、気がつくとビールは、大手企業の商品がほとんどになっていました。工場で大量生産された薄いビールがあたりまえの状況になってしまっていたのです。
と同時に、アメリカでは公害問題が悪化したり、かつて栄えた工業都市が荒廃してしまったり、都会の中心地もスラム化して危険地帯になったりと、人びとの生活環境が悪化していました。また、食品の大量生産化にともない、食事の味もイマイチに。人びとの健康にも暗雲がたちこめる状況となっていたのです。
<クラフトビール醸造所が4000軒を超えた>
二次大戦後の好景気のあと経済が下降していったアメリカ。過疎の村で、産業がすたれた中堅都市で、大都市のスラム街で・・・。あちこちにクラフトビールの醸造所がどんどん生まれました。
1960年代にたった一軒からスタートし、現在ではなんと4,000軒をこえています。
そんなクラフトビール醸造所に共通する理念は、なるべく地元産の厳選した材料を使った手作りビールを作ること、そして、地元に貢献し、地元とともに繁栄すること。
地元の生産者を育てれば、安全で質の良い食材が手に入りやすくなり、そうしてできた美味しいビールが評判になって人が集まるようになれば、街も活気をとりもどし、人々の暮らしも向上してビールをたくさん買ってくれる。そして人々は安全で質の高いビールで、美味と健康を享受できる。
これが、クラフトビール革命の真髄です。なんとも幸せな革命ですよね。
本書によると、これが成功し、周辺の地域をよみがえらせた醸造所がたくさんあるのだとか。
著者のブルックリン・ブルワリーの地元であるブルックリンのウィリアムズバーグも、醸造所たちあげ時は、バーが一軒しかない寂しい状態だったのが、今ではNY随一のお洒落エリアとしてにぎわっています。
<政治と経済、そして消費者の意識変革>
とはいえ、社会を変えるのに苦労はつきもの。
醸造所をたちあげて経営を成り立たせるだけでも相当に大変なのですが、初期の醸造所たちは不屈の精神で市場をゼロから拡大していきます。
さて、革命という大きな変化を起こすには、法律も変えなくてはなりません。
醸造所たちは協会などを結成して力を合わせ、ロビー活動などを慎重かつ粘り強く展開。法律の改訂に成功し、業界の成長をうながしていくのです。
また、少ないコストで最大効果をねらったマーケティング方法をあみだしたり、流通の方法を工夫したり・・・ありとあらゆる方法を駆使します。
このように、送り手側の血のにじむような努力があったことはもちろんですが、大きな変化が起きるにはその受け皿も必要です。
昨今のアメリカでは消費者の方も、地元を成長させることに熱心で、安全でおいしい商品を売ろうとする業者のものを特に積極的に買おうとする姿勢が強いそうです。
投資家も、クラフトビールの醸造所というと積極的に投資してくれる傾向が強いとか。
さらに、業界の情報を発信する出版社や、ネット業者もかなり効果的にビール情報を提供しているようです。
<江古田でも・・・>
そんなこんなで、1960年代にゼロから始まったクラフトビール業界も、今や日本のビール市場全体をゆうに上回る2兆5千億円規模! 毎年10%代の成長率でのび続けています。
クラフトビールが特に盛んなコロラド州ではなんと、醸造所の創業者が州知事になったうえに、その知事の名が今年の大統領選候補にあがるまでに。そのうちクラフトブルワー大統領まで誕生したりして・・・!?
ビールは、品質を高める技術は難しいながらも、数週間で製造できる意外に手軽な飲みもの。だから各地に普及しやすかったのかな・・? などと想像してしまいます。
しかし、著者も本書の巻頭でほのめかしていますが、同様の動きは、ビールのみならず、チーズ、パンなど、ほかの食品にも起きていそうです。
おいしいものを食べられて、地元もうるおって、健康になれて・・・いやあこんな楽しい革命はありませんよね。詳しいお話しは、ぜひ『クラフトビール革命』を読んでみてください!
さてそんなわけで、「ECODA HẺMのクラフトビール革命 with 常陸野ネストビール」では、わたしの地元・江古田を代表するベトナム料理店ECODA HẺMさんと協力。
店主・足立さんの故郷、茨城を拠点に、ブルックリンラガーも醸造する常陸野ネストビールさんもここに加わり、なんとなんと、お店オリジナルのクラフトビールを醸造することになりました。
本格的な上に、料理としてのレベルも高いECODA HẺMさんのベトナム料理。おなじみのベトナムや東南アジアの有名ビールといただくのも旅情豊かで楽しいのですが、手作りのクラフトビールとあわせてみると、味覚の世界がひろがり、深い満足感が味わえるのです。
言葉ではいい表しにくいので一度体験してみてください。エスニック料理とクラフトビールを合わせること自体、まだそれほど多くはないので、ちょっとした新しい味の世界を体験できるという感じです。
都内にしてはちょっと寂しい練馬区。ECODA HẺMさんのクラフトビールが人気になって、練馬区江古田の名物が増えたらいいな。アメリカのクラフトビール革命と比べると随分とささやかではありますが(笑)、「ECODA HẺMのクラフトビール革命 with 常陸野ネストビール」が成功しますよう。
Cheers!
翻訳者・和田侑子
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by brd
| 2016-04-29 07:30
旅の食卓と食卓の旅。ferment booksより『サンダー・キャッツの発酵教室』『味の形』発売中。ツイッターは @oishiisekai @fermentbooks
by brd
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