カテゴリ:京都( 2 )

なやカフェのこと。

京都に気なるカフェがある。

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そのカフェのランチに出たパスタ。

盛り付けが独特で、なんとも言えずかわいらしい。

店主が畑で育てた野菜と、花、そして麺は手打ちなんだけれど、お客の顔を見てから生地をパスタマシンにかけていた。だから出るまで、けっこう時間がかかる。

お花も一緒に食べてください、と店主。

花と野菜。干し野菜なども使っているのだろうか。独特。

植物の野性、とか言いかけて、なんか陳腐な気がして飲み込む。なんだか、比べるものがない味覚世界だ。

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パスタとセットの野菜スープ。

ハーブやスパイスの香りがただよう味噌汁のような、不思議な無国籍スープ。野のミネストローネ。

店のことは、このブログの記事に書いてあるのを読んで知った。なにか、ただならぬものを感じ、京都に着くなり旅行トランクを引きずって店まで行ってしまった。常連のようなお客さんがカウンターにいて、彼らに比べると、自分たちがあまりに観光客然としているのが店にそぐわないような気がしてしまう。

店内に鶏が一羽、籠の中にいた。

別にある鶏舎で仲間にいじめられるので、店に連れてきたのだと店主は言う。

テーブルには、内澤旬子さんの書いた『世界屠畜紀行』が置いてあった。すでに読んだ本だけれど、そうか、と思いながらパラパラめくる。

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玄米コーラ。

じっくり炒った玄米と、スパイスを一緒に発酵させて作るのだそうだ。もちろん、シュワーとしているのも発酵による自然発泡。

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よもぎのタルト。

やっぱり見た目が独特で、なんだか見入ってしまう。

お店で食事した直後に、この写真をtweetしたら、まったくジャンルの違いそうなレフェルベソンスの生江シェフがお気に入りに入れた。

自然農や、発酵や、動物の命を奪って食べることとか、不燃ごみを材料にオーブンを自作したり、個人通貨など経済のこととか、興味あることが「なやカフェ」の界隈にはいろいろあり、とても気になるのだが、まず印象に残ったのは味だった。

このあと、京都観光のついでに有名な和食店で食事した。

その和食店の味は洗練されていて、もちろん美味しいのだが、美味しさの種類が「なやカフェ」とはまったく違うジャンルに属していて、はっと気づくものがあった。

料理は、調理の技術や、使っている食材や、盛り付けなど、数々の複雑な要素で成り立つけれど、それらすべてが描き出す、その料理の世界というか、風景というか、そういった何かを別次元に生み出す。

和食店の味は、美味しいけれど、観光客の誰もが納得するに違いない、最大公約数のような風景だ。

「なやカフェ」の味は、知らない外国で初めて出会うような風景だった。

その落差のようなものが、頭の片隅に引っかかったまま、京都を旅行していた気がする。

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いしやきまめ珈琲と、ヒマラヤチャイ。

料理を作りながら、一品一品味を確かめる店主の表情も印象に残っている。

また京都に行ったら寄ってみたい。

<2014年6月>

(よ)

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by brd | 2015-03-06 00:00 | 京都 | Comments(5)

京都 : 吉田屋料理店

桜の季節にはほんのすこし早いころ、仲間たちと京都へ。

かねてから行ってみたかった「吉田屋料理店」で夕食。

音楽家、芸術家、作家、学者などに愛されているそうで、独特な存在感がある。

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音楽家の大友良英さんが自身のグループONJO(Otomo Yoshihide's New Jazz Orchestra)の結成にいたるインスピレーションを得るほどの飲食店って、どんな場所だろうか。

上のリンクで大友さんが語るように、居合わせた人間がそれぞれいろんな方向性で個性を発揮しながら、同時に、美味しいものを媒介に、ポリフォニックなアンサンブルを奏でるような空間。

楽しくて、美味しくて、自由で、それでいて、ハコとヒトと料理が奏でる個性が揺らがない飲食店が好きだ。

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わかさぎ南蛮漬。

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チーズと葉もののサラダ。

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ホタルイカと菜の花。

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タコのカルパッチョ。

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長芋のピクルス。

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穴子の天ぷらベトナム春巻き風。

穴子と野菜をライスペーパーで巻くのだが、ポイントは、つけダレ。

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これ、なんだと思います?

答えは、ラッキョウをすりおろしたもの。

ラッキョウ漬けの酸っぱさ、甘さ、そして、ラッキョウ自体の香味、さらには一緒に漬けた唐辛子の辛味。以上が、ヌクマムに砂糖、柑橘、にんにく、唐辛子をくわえて作るベトナムの定番つけだれのヌクチャムに見立ててある。面白い。そして美味しい。

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九条ねぎのチヂミ。

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さばふぐの唐揚げ。

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韓国風トルティーヤ。

チーズとキムチの乗ったパリパリのピッツァのような。

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じゃこごはんと、お茶漬け。

料理は、むしろ東京っぽい気もしたのだが、不思議な居心地のよさには確かに納得するものがある。

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このブログのプロフィール写真の撮影者でもあるKL在住カメラマン/デザイナーのCDを連れて行った。ムスリムゆえ肉っぽいものを外さなきゃいけないのだが、お店の人は気さくに相談に乗ってくれた。

そのお店の人、バリかどこかで多少インドネシア語をかじったことがあるらしく、マレーシア語のCDと、なにやら意思疎通してた。

帰りがけに、大友さんのファンであることや、台北の「小慢」も好きだと話したら、女将の吉田さんが出てきて挨拶してくれた。

<2012年3月>

(よ)

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by brd | 2012-08-07 21:16 | 京都 | Comments(2)


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