カテゴリ:タイ( 32 )

タイ・ワイン「モンスーンヴァレー」ホアヒン・ワイナリー訪問記 <テイスティング編>

<見学編>のつづき。

前回に続き、2012年にヤムヤムのウェブサイトのために取材した記事の再掲です。

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象に乗ってぶどう畑を見学する楽しいアトラクションを終えたあとは、待ちに待ったワインとタパス(小皿料理)のマッチングを楽しむ、テイスティング・タイムです。

午前中は人がまばらだった「THE SALA」のダイニングですが、お昼時になると満席に近い状態に。白人観光客が目立ちます。やはりワイナリー訪問は、欧米の文化なのかもしれません。

まず最初は・・・、

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ボクのお気に入りのコロンバールが登場。このワインに合わせるタパスは・・・、

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蟹とリンゴのセルクル仕立て。

ほぐした蟹の身と、小さなキューブにカットされたリンゴ、さらにくるみがマヨネーズでまとめられており、コロンバールによくマッチしていると思います。

次なるワインは・・・、

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シラーズ種100%で作られたロゼ。

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グラスに注いだクリアなロゼが、畑のグリーンに映えて見た目も爽やか。

これには・・・、

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山羊のチーズを合わせます。すこしクセのあるシェーブルに、フルーティーで甘いニュアンスのロゼがベストマッチ。

三本目は・・・、

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シラーズ。樽の香りのするミディアムボディの赤ワインです。

マリアージュを楽しむタパスは、

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鴨とクリスピーなフライドワンタンに、タマリンドのソース。こちらも好相性。トップにエノキダケが2本立っているのがカワイイ。海外のレストランで、日本のENOKIDAKEを使うのがけっこう流行っている気がします。

以上、タパスとワインのマッチングを楽しむテイスティングセットは終了。

ちょうどこの頃、突然のスコールが降ってきました。エレファント・ライディングをすでに終えたわれわれはラッキーですが、雨のなか象に乗っているグループは大変・・・と思って見渡すと、案外、平気そうに見学を続けている様子。テラスにはビニールの雨よけをおろしてもらって、テイスティング続行。

まだまだ飲み足りない、食べたりないわれわれ(当日は4人で訪問)は、まだ飲んでいないサンジョベーゼのロゼをボトルでオーダー。

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さらに、パスタ類にトライ。

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野菜に覆われてパスタがあまり見えないけれど、バジルペーストのフジッリ。

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そして、スパゲッティ・パッキーマオ。

パッキーマオとスパゲティを合わせた、タイ風イタリアン。日本には和洋折衷の洋食がバリエーション豊かですが、タイでもミクスチャーな料理が発展すると面白いと思います。個人的なことを書くと、スパゲッティ・ゲーンキョウワーンは自宅で作ったりしているし、オリーブオイルを使ったカルパッチョ的クンチェーナンプラーなんてのも、ワインに合うかも。

そもそも、タイでワインを作るということ自体が食文化のミクスチャー。日本の食材でタイ料理を表現するヤム!ヤム!ソウル・スープ・キッチンもまったく同じで、異なる食文化をクロスさせる創意工夫には、個人的に強い興味を覚えます。

さて、メインディッシュは・・・、

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ポークチョップのグリル。

野菜とマッシュポテトがたっぷり添えられていて、別添えになった甘いアップルソースをかけて食べます。このソースだけでなく、料理は全体的に甘味が強調された味つけになっていたのが印象に残りました。

ところで、今年2012年はモンスーンヴァレー10周年にあたります。

これを祝して「ウェルカム10トップシェフ・フロム・タイランド」というイベントが、この「THE SALA」で毎月開催されます。タイ国内で活躍するスターシェフ10人が月がわりで登場し、オリジナル料理を提供。それにモンスーンヴァレーのワインを合わせるという、たまらなく魅力的な催しです。

イベント期間は2012年9月から2013年6月まで。本記事執筆時点で、サムイ島の「フォーシーズンズ・リゾート」所属アレックス・ガール氏(9月)、有名料理研究家のマックダン氏(10月)、バンコクの日本料理店「ZUMA」のパトリック・マーテンス氏(11月)がシェフをつとめる回は、残念ながら終了してしまいましたが、これからやってくるシェフには要注目です!

さて。

お腹もいっぱいになったところで、お土産でも買いにいきましょう。

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「THE SALA」のショップには、ワインはもちろん、気のきいたお土産がいくつか。

まず、ワインは紹介した赤、白、ロゼ以外にも・・・、

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本数限定で作られている高級ラインのマグナムボトルや、スパークリングも販売されています。

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甘口デザートワインは、マスカット、シュナン・ブラン、上記2種にコロンバールを加えた3種ブレンド、以上の3種類からチョイス可能。

そのほかに・・・、

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グレープ・リーフ・ティー

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グレープ・シード・オイル

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グレープ・ジャムなどなど・・・、ぶどう由来のお土産が充実。日本で販売されていないアイテムばかりで、ついつい買い込んでしまいました。

次回は、ぜひとも収穫の時期に訪問したいと思います。

ところで蛇足ですが、「新緯度帯ワイン」って日本語としての語呂が悪いですよね。「ニュー・ラチチュード・ワイン」も、ちょっとなじみにくい感じ。そこで・・・、

「熱帯ワイン」

ってどうでしょう? 熱タイ・ワイン。なんちゃって(笑)。

いずれにせよ東南アジアのワイン界を牽引する存在と言っても過言ではないモンスーンヴァレー。われらヤム!ヤム!ソウル・スープ・キッチンの展開とともに、間違いなく要注目です!

モンスーンヴァレー
http://www.monsoonvalleywine.com

ホアヒンヒルズ・ヴィンヤード
http://www.huahinhills.com/

<2012年9月>

(よ)

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by brd | 2015-02-28 00:00 | タイ | Comments(2)

タイ・ワイン「モンスーンヴァレー」ホアヒン・ワイナリー訪問記 <見学編>

タイと日本を食で結ぶ【Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN ヤム!ヤム!ソウルスープキッチン】。我ら【美味しい世界旅行】も何かとお世話になっているけれど、ただいま「ご当地グリーンカレー・レシピ・コンテスト」のレシピ募集中(2015年2月13日~28日)で、優勝賞はタイワイン「Monsoon Valley」のワイナリーツアー招待だそうだ。

そこで、(よ)が2012年に同ワイナリーを取材し、ヤムヤムのウェブサイトに掲載した記事を、アーカイブの意味も込めて再掲しよう。

一部情報が古くなっている部分はご容赦を。

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象にゆられながら、ぶどう畑をのんびり巡る。

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タイ・ワインのイメージに、これほどぴったりな風景もないでしょう。

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Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHENに、いつもゲストとして参加させてもらっている(よ)です。

今年(2012年)の9月、タイ・ワイン「モンスーンヴァレー」のワイナリーを訪問してきたので、リポートさせていただきます。

さて、ヤムヤムでも毎回のように赤、白、ロゼが提供されている、モンスーンヴァレーのワイン。

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上の写真は、ヤムヤム長野ver.で提供されたロゼと赤。

ヤムヤムではもちろん、日本国内のタイレストランでもけっこうメニューに載っているので、タイ好きにとっては、すでにおなじみのワインかもしれません。

ワイナリーの所在地は、王室の保養地として知られるタイの葉山、ホアヒン。バンコクからは車で約3時間。到着後、まずはワイナリー巡りの起点となる「THE SALA WINE BAR AND BISTRO」へ。

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スタッフが案内してくれたのは、ぶどう畑を一望できる爽やかなテラス席でした。

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天候に恵まれた気持ちのよい見晴らし。どこまでも広がる畑のグリーン、そして山々と空。そんな美しい景色に見とれていると、ウェルカムドリンクが運ばれてきます。

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濃厚な味のぶどうジュースです。爽やかな果汁で喉を潤し、3時間のドライブの疲れを癒したところで、ぶどう畑の見学へ。道中案内してくれるのは「THE SALA」のマネージャー、ヨサワットさん。

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ヨサワットさんと一緒に、幌のついたワインレッドのランドローバーに乗り込んで・・・、

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ぶどう畑見学がスタート!

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気持ちのよい風を受け、ぶどう畑を眺めながら、フレンドリーな語り口のヨサワットさんの解説を聞きます。青々と育つぶどうの木が、見わたすかぎりどこまでも。でも、残念ながらぶどうの果実を見ることはできませんでした。

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9月といえば、ぶどうの収穫まっさかりのイメージですが、日本とまったく気候が異なる通年高温多湿なタイのぶどう収穫期は2~3月。日本やヨーロッパの常識とは違うわけです。

そもそも、かつての常識では北緯・南緯ともに30~50度の地域がワインづくりに適しているとされていました。フランスやイタリアなどヨーロッパの伝統的なワイン産地、そしてカリフォルニアやチリ、アルゼンチン、オーストラリア、南アフリカなどニュー・ワールド・ワインの生産地が、その緯度帯に入ります。

一方、タイはどうでしょう。ホアヒンの緯度はおおよそ北緯12.5度、バンコクで13.7度。適正とされていた緯度から外れています。つまり、これまでの常識を大きくくつがえす「新緯度帯ワイン」(NEW LATITUDE WINE)のカテゴリーに属するのが、タイ・ワインなのです。

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「THE SALA」のエントランスにも、新緯度帯ワインについて説明したパネルが掲示されていました。地図の左端の「13°」=「北緯13度」が大きな文字で強調されていますね。今や新緯度帯ワインは、世界のワインジャーナリズム注目の的なんです。

これまでの常識をくつがえすワイン造りを可能にしたのは、タイ人スタッフの情熱と、ドイツからやってきた女性醸造家の技術だったそう。土壌を改良し、放っておいたら年に2回できてしまうぶどうを剪定の技術で1回にコントロールし、ワインに適した果実を収穫。ホアヒンのこの地は、山々に囲まれている地理条件から、もともと昼夜の寒暖差が大きく、ワイン造りには比較的適していたそうです。

ぶどうも、タイの気候に適した品種が選ばれました。赤ワイン用品種のシラーズと、白ワイン用品種のコロンバールです。

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上がコロンバールの木。一般的にコロンバールはブレンド用の補助品種のイメージで、あまりメジャーではありませんが、ここではコロンバール100%の白ワインが作られています。

しかもこのコロンバール、世界的に権威あるパーカーポイントで87点の高ポイントをゲットして実力は証明済み。さらに、今やミシュランの星を取るよりも、こちらにエントリーしたいと世のシェフたちに言わしめる「世界のベストレストラン50」にランクインしたバンコクのタイレストラン「ナーム」のワインリストにも載っています。

じつは、ホアヒンツアーの前日に「ナーム」を訪問しました。

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モンスーンヴァレー・コロンバールを注文したことは、言うまでもありません。

果実味が豊かで爽やかでありながら、全体的にまあるいふっくらしたイメージでミネラリーな印象もうけます。タイ料理なら和え物のヤム系の料理などにばっちり合うと思います。

コロンバール、そしてシラーズのほか、いまホアヒンではテンプラニーニョ、マスカット、シュナンブランといった品種が栽培されており、来年からはカベルネソーヴィニヨン、シャルドネにも着手するとか。

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また、モンスーンヴァレーのサイアムワイナリー社が保有する別のぶどう畑、「フローティング・ヴィンヤード」(サムットサコン県)では、タイ在来種のポクダム(赤ワイン)、マラガブラン(白ワイン)が栽培されているそうです。

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この「フローティング・ヴィンヤード」、ぶどう畑の中に水路がめぐらせてある様子が上のパネルで確認できるでしょうか。ポクダムとマラガブランに適した栽培システムということで、こちらもいつか見学してみたいものです。

さて、車でひとまわりしたあとは、お待ちかねのエレファント・ライディングの時間!

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何度もタイに行っているくせに象に乗ったのはこれがはじめて。象の背に乗ると意外なほど視界が高く、じっくり畑を見渡せそうなものなんですが、思ったより揺れるのと初体験の興奮でぶどうとワインのことはすっかり忘れてしまいました(笑)。

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象に乗った目線の映像が上の写真です。二頭でゆっくり畑を巡る感覚が、どことなくユーモラスでのんびりしていて、最後はとてもなごみました。

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降りたあとは、象に「おつかれさま」の意味も込めて、1バスケット100バーツのパイナップルを象にあげる余興も。

エレファント・ステーション近くの畑には・・・、

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プリック(唐辛子)ほか、さまざまなハーブ類が植わっています。「THE SALA」の料理で使われているそうです。

さらに、

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上の写真、手前の丘に点々と植えられているのは試験栽培中のオリーブの木。ヨサワットさんによれば、オリーブも商業ベースに乗せる計画があるそうで、そうなるとタイでは初。近い将来、ホアヒン産のオリーブオイルを味わうことができるかもしれません。楽しみですね。

ところで、この頃になると早くワインを飲みたい!そんな気分が募ってきます。ずっとぶどう畑をながめ、ワインの話を聞いているのですが、本日まだ一度も実際のワインを口にしていません。

というわけで、次は「THE SALA」に戻ってワインとタパスのテイスティングです。

<つづく>

(よ)

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by brd | 2015-02-25 00:00 | タイ | Comments(0)

ガパオライスの肉について、バンコクで調査してきた。 [その2] 

[その1]の続き。

道端の総菜屋さんでも、作り置きのガパオ炒めを売っていた。

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すぐ持って帰れるよう、すでにビニール袋に入れたのを並べてある。

この豚ガパオを、買って持ち帰って、食べてみた。

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わりと肉は細かいけれど、挽肉じゃない不均等なツブツブした食感がある。包丁で叩いてるのかもしれない。なかなか美味しいけれど、ここのが一番辛かった。

さて、スーパーではガパオライス弁当が売られていた。

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鶏ガパオライス弁当。

見るかぎり、鶏は切りっぱなしで、けっこう大きい。もう「粗みじん」という範疇じゃない。こういうのもあるのか。

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こちらは豚ガパオライス弁当。

食べてないから詳しくわからないけど、肉はわりと細かい。

全体的に、鶏が粗く、豚が細かい、という傾向はあるのかな。

タイ料理本にはどう書かれているのか、自分の好きな本をめくって調べてみた。

まず、このガパオ炒め調査のとき(2014年9月)にバンコク紀伊国屋で見つけ、装丁がオシャレっぽいのに惹かれて購入した、アメリカ人タイ料理シェフ、アンディ・リッカーさんの『pok pok』という本。シェフはポートランドやNYで本と同名のタイ料理店をやっている。

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肉については、あっさり「ground chcken or pork」って書かれているだけだった。

つまり、鶏か豚の挽肉・・・。

タイ料理に興味を持ち始めたころ手にした、竹下ワサナさんの『旬の素材でタイ料理』は、鶏ガパオライスが表紙だ(正確には「鶏のイタリアンバジル炒め」。出版が2001年ごろで、まだ一般には手入困難だったガパオの葉をバジリコに置き換えたレシピになっている)。

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写真を見ると、鶏の切り方はけっこう大きくざっくりしている。

レシピ文には、「鶏胸肉は薄切りにする」とある。

[その1]の記事で紹介した、道端の屋台の鶏ガパオに近い感覚かもしれない。

切り方が特に大きかったスーパーの鶏ガパオ弁当も、この路線の延長にある感覚かもしれない。ミンチやひき肉ではなく「薄切り」。

そして、本ブログで何回か書いているけど、「世界一」のタイ料理店「ナーム」のシェフ、デヴィッド・トンプソンさんの著書『THAI STREET FOOD』もチェックしてみた。

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載っているのは、鶏でも豚でもなく、牛のガパオ炒め。

なんでも「ガパオ炒め」は50年くらいに前に発祥した比較的新しいタイ料理で、最初は牛で作られていたらしく、のちに豚や鶏、魚介にも素材が広がって行ったらしい。

で、肉の処理はというと、「I find a rather coarse mince yields the best result - ideally done by hand」。つまり、やや粗めのミンチがベストで、手で処理をすれば理想的であると。ミンサーを使わず包丁でミンチにするってことだろう。下関さんのやり方にかなり近い。

この本に書いてある通り、ガパオ炒めは鶏や豚にかぎらず、魚介を具にしたりもする。

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上は、渋谷の「パッポンキッチン」で食べたムール貝のガパオ炒め。

すでに別の記事で紹介済だけれど、「ガパオ炒めは肉だけじゃないよ」という、このお店らしいマニアックなメッセージかも。

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こちらはバンコクの惣菜屋にあったガパオカイヨーマー。ピータンを肉のガパオ炒めにあわせた惣菜で、ピータンはそのままではなく、いったん揚げてから炒め合わせるのが一般的らしい。

さて。

実のところ普段日本では、そんなにガパオ炒めって食べなかったんだけれど、こうやってガパオ炒めのことばかりずーっと考えていたら無性に食べたくなってきて、先日たまたま通りかかった鎌倉・長谷のタイ料理店「クリヤム」で、ランチのガパオライスを注文した。

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ミンサー系ではないゴロゴロ&テクスチャーのある処理になっている鶏が美味しかった。ただ、タイで食べるのと違うのは、圧倒的に味付けが優しいこと。辛さや塩気も控えめだが、甘くないのが印象的だった。

そして、自宅でも、ガパオライスを作らずにはいられない。

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ちょっと失敗な自作鶏ガパオライス。

どこが失敗かというと、まず鶏肉。

ちょっと叩き方が足りない。

というよりも、このくらいざっくりした大きさで作るなら、もも肉ではなく胸肉を使うべきなのかも。[その1]に出てくる道端の屋台や、竹下ワサナさんのレシピは胸肉だから、ああいうテイストが出ているのかもしれない。

あと、日本のコシヒカリとあわせたら、なんだかヘビーな食べ心地。やっぱりさらっとタイ米じゃないと。

さらに言えば、目玉焼きがタイっぽくないなあ。

もっと、白身の端っこがカリカリに揚がってる感じになっていてほしい。

ガパオ炒めのレシピは、ほかにもいろいろポイントがあって、まずガパオの葉に関する疑問がみなさんいろいろあると思う。手に入りやすくなったとはいえ、やっぱり珍しい食材だ。

そこで出てくるのは、代用すると、どうなのか? という疑問。

イタリアンバジルだと、どう違うのか? ホーラパーでは? そもそも、ガパオとホーラパーってどう違うのか。英語でいうホーリーバジルとスイートバジルって、ガパオやホーラパーと同じものなのか? ところで、これ系の葉っぱって、いったいタイには何種類あるのか?

などなど疑問噴出である。

ちなみに、下関さんの旦那さんは、挽肉だとダメ出しするけど、バジリコでの代用は「美味いね」の感想だそうだ。

うーむ、そのあたり深い何かがありそう。

ガパオの葉はフレッシュなのを買って一回で使いきらない場合、保存するのが難しいが、こんなのも売っている。

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冷凍キューブのガパオの葉。これを解凍して使えば、かなりイイ具合。

同様の商品で、ホーラパーの葉のキューブもある。

冷凍庫に入れておけば、いつでも自宅でタイの味に近いグリーンカレーが作れる。

あと調味料の問題。

オイスターソース、シーユーダム、シーユーカオ、ナンプラー、シーズニングソース、醤油など、何を使うレシピがいいのか? そして、目玉焼きの焼き方は? などなど。

いろんな問題が山積するなか、今回は肉の処理だけにフォーカスした、非常に偏った内容をご覧いただきました。

【おまけ】

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豚肉ガパオライス弁当(自作)。

職場に持っていって、ランチにした。

けっこう半熟な目玉焼きをのっけたので、運搬するとき崩れないかと心配になるが、けっこう大丈夫。

冷めてもまあまあ、だった。

(よ)

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by brd | 2015-02-09 14:39 | タイ | Comments(2)

ガパオライスの肉について、バンコクで調査してきた。[その1]

みんな大好き、ガパオライス。

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写真は、タイ料理家・下関崇子さん作の目玉焼きのせガパオライス。

美味しそうでしょ。いや、めっちゃ美味かったです。

あのチェーン系の弁当屋までがメニューに載せたりして、いまや日本でのメジャー度で言ったら、かつてタイ料理の代名詞だったトムヤムクンを抜いて、グリーンカレーと良い勝負、といった感じのガパオライスだが、考えてみれば、目玉焼きと挽肉炒めがライスにのっている料理って、とても分かりやすくてキャッチーだ。ハンバーグにのった目玉焼きなんかともイメージがダブるし、日本人のDNAにひそむ洋食への憧憬にジャストミートしている感じもする。

おっと、思わず「挽肉炒め」と書いたけれど、じつはこの記事、そこが問題。

下関崇子さんの旦那さん(タイ人)は、挽肉でガパオ炒めを作ると「なんか違う」って言うらしい。たしかに挽肉のガパオ炒めは「そぼろ」みたいになっちゃって、別に悪くはないけど、ちょっとイメージが違う気もする。

売っている「挽肉」はミンサーで挽いてあるわけだが、それは使わずに、かたまりから包丁で粗みじんにして叩いて下ごしらえすると良いのだとか。

確かに、そうやって作ってみると食感が断然良くなる。

これだけメジャーな料理なので流儀はさまざまみたいだけれど、実際どうなのか。バンコクでガパオライスを食べ比べてみた。

まず、ショッピングセンター「エンポリアム」のフードコートのガパオライス。

コックさんが調理風景を撮影させてくれた。

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まずは目玉焼きを作る。

油たっぷりめで、揚げるように焼く。

肉に関しては、すでに下処理済のものを使っているので、調理風景を見ている時点では、どんな感じかわからなかった。

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鶏肉を炒めて調味料を加える前に、スープか水か、レードル1杯じゃばっと入れていた。一瞬、けっこう汁っぽく作っているように見えるけど、火力が強いからか水分はどんどん飛んで、出来上がりはちょうどよい具合になっている感じだ。

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おぉ・・・、確かに、粗めに切った鶏肉が包丁で叩いてある感じだ。

こうなっている方が汁が肉にからむし、食感も複雑になって美味しい。

お次。

道端の屋台でも、鶏のガパオライスを作ってもらった。

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ここでも肉は下処理済み。

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ガパオの葉を投入したところ。

けっこうガッツリ味つけしている。タイのローカルな場所だと、やっぱり日本より辛いだけでなく味そのものがだいぶ濃い気がする。

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出来上がり。

ここの鶏肉は切りっぱなしで叩いてない。けっこう切り方も大き目。

でも、サクサクしたような鶏独特の食感があって、これはこれで悪くない気もする。

さらに、ショッピングセンター「MBK」のフードコートでもガパオライス。

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ガパオ炒めには鶏と豚とあるけれど、今度は豚にトライ。

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これは挽肉かなあ。肉が細かくて汁っぽい仕上がりだった。個人的な好みで言うと、前のふたつのほうが好きかな。

MBKの別のブースでは、作り置きのガパオ炒めが陳列されていた。

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食べなかったけど、挽肉っぽい。鶏だろうか。

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上は「サイアムパラゴン」のフードコートで見かけた作り置き鶏ガパオ。これも挽肉っぽいかな。

[その2]に続く。

(よ)

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by brd | 2015-02-07 22:19 | タイ | Comments(0)

バンコク : フリペ編集長が案内してくれたスターシェフの新店「ナムサー・ボトリング・トラスト」

バンコクの日本人女子向けフリーペーパー『Arche+』の編集部に訪問し「どっか面白い店に連れっててくださいよー」とお願いしたところ、その晩のディナーはここに決定。

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シーロムのソイ7にある「ナムサー・ボトリング・トラスト NAMSAAH BOTTLING TRUST」。

ピ、ピンク色のお屋敷。

タイ版『料理の鉄人』である『アイアンシェフ』にも出演し、バンコクやニューヨークで何店も経営しているスターシェフ、イアン・キッチャイさんの新しい店だそう。

さすが編集長、最新トレンドスポット。

この建物、築100年は経っているとかで、最初は宮廷の役人の屋敷、次に銀行のクラブハウス、最後はソーダ水会社のオフィスに使われたそうで、変わった店名はそこにちなんでいる。

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こんな内装。

このトゥーマッチなキッチュさ。タイっぽい感じ。

1階のバーで少し飲んでから2階にあがって食事されますかと促されるが、こちらは6人グループ(子ども2人ふくむ)だったりして、直接2階のテーブル席に座りたい旨リクエストする。

どう考えても男女もしくは男同士などで来る店っぽく、子ども連れはそぐわない気もしたが、そんなミスマッチムードの中あえてのんびり楽しく団らんしてしまうのもまたオツなり、みたいに考えそうなメンバーがそろった。

そういえば、このあいだ銀座のバー街直近の四川料理店(成都出身者オススメ)で同伴の人たちに囲まれながら辛い料理を食べたのもこのメンバーだった。

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カクテルの氷の上にハリボらしきものが乗っていて、子どもたちは喜んでいる。

飲み物のメニューを見ると、「セックス・オン・ザ・BTS」とか「メコン・ゾンビ」とかのカクテル名がならび、なにかすごく若い人向けな感じ。

料理はタイをベースにした創作料理だろうか。

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上の写真はサイウア(チェンマイソーセージ)のホットドック。パンはイカ墨だろうか真っ黒い。しかも靴磨きクリームが入っていそうなチューブが皿に添えてあって中にはアイオリソースが入っていた。

メニューを見ると、シラチャー・アイオリ・ソースと書いてある。ん?

それにしても、照明と壁の色の関係で、どうやって撮っても料理写真が赤く色かぶりするのだった。

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フォアグラ入りパッタイ。

いいとこ突いてる。そして、味も意外に悪くない気がする。

しかし、子どもはフォアグラ嫌いだそうだ。フォアグラをよけてあげてパッタイだけ食べさせる。大人はフォアグラだけ食べる。意味ない。

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シーザーズサラダ。

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モモ。

ネパール料理でイメージするモモじゃなく、ソースのかかった蒸し餃子のようなもの。これは子どもが美味しい美味しいと食べてしまった。

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そのほか、牛肉のレッドカレーなど。

Slow-cooked Beefとメニューには書いてあったりする。

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ライチのパンナコッタ。

ソルベもライチ味。小さいボトルにもライチのソーダ。「ボトリング・トラスト」色を出しているわけか。

実は、こういう女子を喜ばせるための小細工の効いたプレゼンテーションが嫌いじゃなかったりする。

今どきの日本にない感じのバブリーさを堪能した夜、楽しかった。

<2014年9月>

(よ)

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by brd | 2014-09-25 00:55 | タイ | Comments(2)

バンコク : 外国料理についての「勘違い」をめぐって 「SRA BUA by KIIN KIIN」

バンコク : 分子ガストロノミー的タイ料理「SRA BUA by KIIN KIIN」の、つづき。

メインダイニングのテーブル案内される。

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席に座ると、ラウンジで注文した出てきたビールが出てきた。

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ディム・サム・ビアー、だって。

Mikkellerというデンマークのマイクロブルワリーがアジア料理向けに醸したクラフトビールなんだそうな。レモングラスとコリアンダーをブレンドして醸造しているとのこと。

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ラベル。たどたどしげな「虾饺」の簡体字がアヤシイ(笑)。

さて、「スラブア」はコペンハーゲンのタイ料理店「キンキン」のバンコク支店のような存在らしいが、コペンハーゲンといえば言わずと知れた「ノーマ」。来年、期間限定でオープンするノーマ・ジャパンが、なにか食通たちの間で大事件のように言われているけど、どうなんだろう。

「ノーマ」はさておき、北欧ガストロノミー+タイ料理店とくれば、折衷・混淆に食文化のリアルを探る【美味しい世界旅行】としてはチェックしないではいられない(なんて)。

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右は具の入っていないトムヤムスープ。そして、左は胡椒のたくさんかかった温かいマヨネーズソースで覆われたエビ。これを交互にいただく。

つまり、スープと具がセパレートされたトムヤムクン。

なるほどー、という感じ。

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サービスの女性がクロックでなにやらポクポクやりはじめた。

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できたのは、こういうナムチム。

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この料理のきゅうりのつけ合わせのところにかけてくれる。

メイン食材は、右がロブスターのフリット、左がグリルしたイカ。両方の下にしいてある薄緑のクリームはタイ風味のメレンゲ。

ところで、本レストランレポート前半のコメント欄に、ちょっと面白い意見があった。

コメント主曰く、このレストランは西洋式を勘違いしたタイ人がやっているレストランなんじゃないか、と。

勘違い、という言葉をめぐって、すこし考えてみた。

そのコメントには、実はその逆でタイ料理を「勘違い」したデンマーク人がやっているレストランなんですよ、と返答しておいた。

勘違い、という言葉に「」をつけたのは、もちろん彼らが本当に勘違いしているわけではなく、オリジナルのタイ料理を意図的に換骨奪胎していることを言いたいがためだけど、思うに「」がつくのと、つかないのとで、いかほどの差があるだろう。

意図的にやれば創造で、無意識にやれば勘違い。なんだろうけど、両者の違いって実は微妙。

ここまでの正直な感想としては、なにかタイ料理が分子ガストロノミーの「ネタ」になっている感じ。

西洋目線のオリエンタリズムにもとづいた料理、って言ってもいいかも。

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レッドカレーのアイスクリームに、ホワイトアスパラガス。

白いムースもアスパラ味だった気がする。

うーん、もう少し精度の高い盛りつけをしてほしい。

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セロリのひらひらの下には、

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「イエローカレー」と蟹の身。これと交互に、一緒に出た緑色の爽やかな風味のジュースを。

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脱構築パッタイ。エビ味のヌードルに「パッタイソース」。

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さっきと同じシリーズのクラフトビール。

やはりラベルのデザインがオリエンタルポップなニュアンスで、ちょっと不思議。

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骨の上に茄子かなにかのピュレとケープムー、カリカリとハム、というこれまた不思議なスナックなどをはさみ、

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メインは、ハーブとオイスターソース風味の牛肉。

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牛肉はタマネギで作ったというカリカリの下。肉はレアにローストしてからソースと合わせてある。この料理にはジャスミンライスが添えられている。

コース中、ブレッド的なものは出なかった。

さてさて、西洋人がやっているタイ料理レストランということで、同じくバンコクで営業している「ナーム」と比べると、「スラブア」は180度逆向きの方向性だ。

「ナーム」が西洋的なアレンジを排除したオーセンティックなタイ料理を標榜し、タイ料理そのものの洗練や体系化を目指しているのに対し、こちらはさっきも書いたように、タイ料理はあくまで分子ガストロノミーの「ネタ」っぽい。

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デザート一皿目。

パッションフルーツのジュースをかけると、わたあめが溶けて、下のグラスのアイスクリームとともにすべてが混ざる仕組み。

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二皿目。

花の香りをつけた白いアイスクリーム、ソルベ、メレンゲなど。

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三皿目。

バナナケーキとアイスクリーム(何味か失念)。下に敷いてあるのは凍ったココナッツクリームと生のココナッツのフレーク。

さきほどの「ネタ」の話の続き。

バンコクに「ガガン」というレストランがある。ここはインド人シェフがやっているインド料理の分子ガストロ版。

以前、本ブログでもリポートしたけれど、ユーモアがあるというか、インド料理そのものに対する批評性を感じる。さらに、驚きや笑いもあってエンターテイメントとして結構楽しませてくれる。

つまりインド料理を「ネタ」にして表現していることがシャープ。

「スラブア」は、そのあたりのピントがどこに合わせてあるのか、(よ)にはよくわからなかった。

こういう精度の高さを要求される料理を出しているわりに、スタッフのサービスがゆるいのも、そう感じさせる一因かも。

ここで大胆な仮説を。

一度利用したきりのレストランだから、あくまで仮説、というか妄想です。

先ほどのクラフトビールのラベルだが、漢字を使用する日本人として、明らかにネイティブが書いたと思えない「虾饺」の文字には、多少の気恥ずかしさを感じる。

さらに似たような文化ギャップ現象として、例えば「ドラゴンロール」とか、アメリカ式に曲解したスシのような料理に慣れるには、日本人として多少の時間がかかるものである。

これと同様の感覚で、このレストランのタイ人スタッフは、自分たちが出している不可思議なタイ料理に対して、実はほのかな気恥ずかしさ、違和感を感じているのではないか。なんとなく、納得できないというか。

だから、どことなくあいまいなムードにレストランが支配されている。

あくまで仮説ですよ。

※前述の「ガガン」では細かいタパスが連続したあとに出る、カレーやナンのメインコースに「~ Food at last!!!! ~」というタイトルがついていた(笑)。自虐というか、客観というか。

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タイ人は外国人のタイ料理に対して、どんな感情を抱くのだろう。

そのあたりのねじれを味わうために、もう一度訪問してもいい。かもしれない。

<2014年8月>

(よ)

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by brd | 2014-09-20 22:28 | タイ | Comments(6)

バンコク : 分子ガストロノミー的タイ料理「SRA BUA by KIIN KIIN」

「アジアのベストレストラン50」2014年度版21位の「SRA BUA by KIIN KIIN」に行ってきた。

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上記アワードのウェブページによれば「斬新にデコンストラクションした」「大胆な分子タイ料理」だそうだ。場所はサイアムパラゴンの裏にあるサイアムケンピンスキーホテル内。

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まずはウェイティングラウンジのような席に案内される。

ここでいきなり「Nibblings」と称してスナックが出てくる。

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右にみっつ並んだ器。

上から、こぶみかんの葉の香りをつけた蓮のチップ、醤油味のカシューナッツメレンゲ、黒い(いかすみ?)えびせんと味噌のディップ。

カップがあるのに何も注いでくれない。水分がないとつらいので、やむなくリクエストしたら甘いレモングラスのお茶を注いでくれた。

以降は「Street Food」と銘打った、日常的なタイ料理を「デコンストラクト」した一連のタパスが提供される。

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ミエンカム。

チャップルーの葉ではなく、カリカリのコロネに巻かれた「ミエンカム」が直接手渡される。

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向かって左のスプーンはヤムフアプリー。

イクラがそえてある。バナナの花、とメニューにはあるけれど、この小さなエディブルフラワーは?

右はトムカーイェン。

冷たいトムカースープ、というか、凍ったフローズントムカー。

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サイウア。

超ミニサイズのひとくちチェンマイソーセージ。

ここでまた水分が欲しくなってくる。こういうのを何も飲まずに食べるのはつらい。なのに飲みものの注文を一切訊かれないのから違和感を抱いてしまう。シャンパンでも欲しい。

飲みものメニューを持ってこさせて、オリジナルのクラフトビールみたいなのがあるようなので、それをたのむ。

タパスはまだまだ出てくる。

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ムーパロー。

タイの五香粉のきいた豚の角煮のミニチュア版。

ひとつひとつそれなりの工夫が凝らされたタパスは楽しいが、まだウェイティングラウンジにいる。ここ、何となく居心地が悪い。早くテーブルに移りたい。いつまでここで食べなくちゃいけないのか。

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カイトゥン。

タイ風茶碗蒸し。フランのまわりのソースらしきものは、ほぼ「濃いめの味噌汁」といった感じで、日本人にはカイトゥンの脱構築というよりも豆腐の味噌汁の脱構築のようにも感じられる。

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サテガイ。

鶏のサテ。これのいったいどこが鶏のサテなのか、実は忘れてしまった。

ターメリックがふられた一口サイズの白いのは凍っている。中には鶏味のものが入っていた思う。

ここまでで「Street Food」は終了。結局、ビールは出てこなかった。

やっとメインダイニングに案内される。

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テーブルに着くと、さっきたのんだビールが出てきた。

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なんか、ほっと一息。

つづく。

(よ)

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by brd | 2014-09-18 03:27 | タイ | Comments(6)

バンコク : トラートの味とイサーンの味。「SUPANNIGA EATING ROOM」

バンコクの友だちのリコメンドで、トンローのSUPANNIGA EATING ROOMに行ってきた。

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窓ガラスに、

EASTERN VS ISSAN CUISINE

って書いてある。

なんでもカンボジアに接する東部トラートとイサーンの料理を紹介するというコンセプトなんだそうだ。

オーナーのお祖母さんがトラート出身かつコンケンにお嫁にいった人で、彼女の家庭の味を再現した、というふれこみである。

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ドリンクメニューにはいろんな「変わりマティーニ」がリストされているのだが、写真手前は「イサーンマティーニ」。

レモングラスとこぶみかん、あとラープとかに入れる炒った米の粉のカオクワが入っている。

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オレンジのマーホー。

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イサーン風のソーセージ、サイクローク。

ともにプレゼンテーションがオシャレで不思議な感じ。

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ナムプリック・カイ・プー。

カニとカニの卵の入ったナムプリック。東部っぽい感じがする。

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ムー・チャームアン。

豚肉とチャームアンという葉のゲーンのようなもの。豚肉がほろほろに柔らかく煮込まれていて、たくさん入ったチャームアンの葉のぽってりした歯ごたえも楽しい。ソースは甘くてコクがある。

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ごはんは白米と赤米の2種類たのんでみた。

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スープ・ヌア・トーン。

牛肉のトマト味シチューのような料理。優しい素直な味で、あんまりスパイシーさは感じない。これもトラート料理だろうか。

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キノコのラープ。

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これまたオシャレプレゼンなヌアヤーン。

きりたんぽみたいに丸めて串に刺したカオニャオが気に入った。卵をつけて焼いてあるみたい。

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気にったので、さらにカオニャオだけ追加オーダーしてみた。

これで、かなり満腹に。

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サイドディッシュのつもり頼んだキャベツの炒めが、コリッというようなシャキっというような何とも言えない心地よい歯ごたえと、甘味とうま味のしっかり効いた味つけで絶品。

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メニューに載ってない今日のカクテル「ライチモヒート」(って店の人が言ってた気がしたが、これ、たぶんロンコン)をすすめられたのでオーダー。

フレッシュな実そのものも添えてあり、デザート気分で。

と言いつつ、デザートもしっかり頼む。

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ここを教えてくれたバンコク在住の友だちに「またもち米食べるの~?」言われながらオーダーした、カオニャオマムワン。

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タイミルクティーのパンナコッタ。

チャーイエンを固めただけ、といえばそうなのだが、マネしたくなる魅力的なデザート

ホテルやレストランを何軒もやっている敏腕タイ人経営者だけあって、内装もしゃれていて気の利いた感じ。ゆえに日本人にもかなりの人気らしいが、それはともかく、料理そのものがかなり美味しくて満足だった。

あと外国人やアッパー層を意識した店づくりにおいて、バブリーなゴージャス感を煽るんじゃなく、こじんまりしたローカル色を出しながら(東部っていうのが珍しい)質の高さをアピールする感覚は日本もタイも共通するセンスがあると感じた。

食器が家庭風、もしくはレトロっていうのは、もうトレンドっぽい(ふり返ると、マーホーやサイクローク、ヌアヤーンの皿だけモダン風で、あとは家庭風だった)。

遅目の時間からはファランの客が増えてくる。彼らはみんなワインをオーダーしていた。どうやらタイ料理とワインのマリアージュも、ここのウリらしい。

<2014年8月>

(よ)

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by brd | 2014-09-10 09:16 | タイ | Comments(7)

タイのミニチュアフルーツづくり 「しまたい食堂」

タイのミニチュアフルーツ。

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「美味しい世界旅行」も参加する「しまたい食堂」では、下関崇子さんによるタイのミニチュアフルーツづくりのワークショップもあります。

ワークショップで作るミニチュアは、ドリアン、マンゴスチン、マンゴーの三種類を予定。

どのくらい小さいかというと、上の写真の器の大きさは直径10センチほどです。

詳細は、こちらか、こちらで。

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3色刷りのフライヤーも作ってみました。

わらばん紙のような素朴な用紙に蛍光オレンジが、どことなく駄菓子屋さんっぽいレトロな仕上がりに・・・。

イラストは、瀬戸内海の上島諸島とタイと台湾が、橋でつながってる夢の絵地図です^^。

(よ)

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by brd | 2013-10-06 16:49 | タイ | Comments(4)

バンコク : 王様の料理番のカイフープー 「クルアアプソーン」

宿泊したゲストハウス「ジ・アサダン」のオススメということで、やってきたのが、ここ「クルアアプソーン」

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かつて王室の料理番だったシェフの店、というふれこみのわりに、しつらえはカジュアルでフツー。

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評判の店で、海外のガイドブックにもけっこう掲載されているみたい。外国人の客もチラホラ。

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ほかの席もみんな頼んでいた玉子焼き。丸い形がスフレのよう。

料理名はカイフープーไข่ฟูปู

普通のオムレツはカイチアオไข่เจียว(卵揚げ)だけど、「フーฟู」ってなんだろう?(「プー」は蟹)。調べたら「ฟู」って「膨張する」って意味だから、やっぱりスフレ的な? 狸田所長、御教唆を。

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プー入り。のはずが、言うほど入ってない(笑)。

ベトナムとかではよく使うハスの茎のゲーンとか、名物料理がいくつか品切れだった。

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花野菜カジョンのつぼみとひき肉の炒めもの。

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魚のつみれルークチンのグリーンカレー。

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キノコのラープ。

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ごはんはハート型。

やはり王室イメージということなのか、全体にかなりわかりやすく上品な、つまりマイルドな味つけになっていて、グリーンカレーの具が肉ではなくでルークチンだったり、ラープが肉ではなくキノコだったりと、ちょっとヘルシー感覚もある。

基本、フツーのタイ料理なんだけれど、上記のような主張も感じられてけっこう面白かった。

【2012年9月】

(よ)

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by brd | 2013-06-07 09:13 | タイ | Comments(8)


旅の食卓と食卓の旅。ferment booksより『味の形 迫川尚子インタビュー』発売中。姉妹ブログ【ワダ翻訳工房】もどーぞ。ツイッターは @oishiisekai @fermentbooks


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