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プタリン・ジャヤ SS2のドリアン屋台街と、臭い食べものに関する雑感

マレーシアでドリアンを食べた。

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本題に入る前に、少し余談を。

(ゆ)が香港で買ってきた腐乳を大そう気に入ってしまい、関連記事をしつこく何本もアップしていたけれど、どうもいまひとつウケが悪いような気もする。

詳しく知らない人は、「腐乳」という字面のイメージから「牛乳が腐っているみたいなモノか」と思って敬遠してしまうのかもしれない。なかには、とにかく臭いことで名高い「臭豆腐」と混同している人もいたようだ。

腐乳が臭くないかと言われれば、まあ微妙なところだが、臭いこと自体がウリになっているようなガサツな臭豆腐と、麗しき腐乳を一緒にしないで欲しい(臭豆腐ファンのみなさん、ゴメンナサイ)。腐乳はまったく違う食品であり、一番近いものといえば、沖縄の「豆腐よう」だろうか。カビを生やして発酵させている点では、ゴルゴンゾーラなどカビ系のチーズとも、ちょっと通じるものがある。つまり、けっこうデリケートで、優雅ともいえる発酵食品なのであり、酒のつまみにして良し、調味料にすれば独特のまったりした濃厚な旨味を得られる特別な一品だ。

まあ、あんまり一般的でない食べもののことを敢えて書いたりするのが我々の習性でもあるので、よく知っている方たちは、「またか」という感じだと思うけれど、臭いといえば、ドリアンに関してもちょっと言いたいことがある。

ドリアンを「臭い」と言って敬遠する人は多く、東南アジアなどに行くとホテルがドリアンを館内持ち込み禁止にしていたりする。

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このホテルは、ドリアンだけじゃなく、ジャックフルーツ、マンゴスチンに、タラップという果物まで禁止にしている。非常に細かい。

たしかにドリアンは臭いが、あくまでフレッシュなフルーツであり、発酵物とは違うし、動物性の強いニオイとも違って、そこまで騒ぐほどのものでもない。そう感じていた。そう感じているからこそ、いつかの某都市では(今回のマレーシアではない)ドリアンをこっそりホテルに持ち込んで、大した問題ではないことを証明しようと思った。

が、しかし、やはり、ドリアンは大した問題だったのである。

丸のままのドリアンをホテルの部屋で割り、全部食べ、いちおう客室係の人の目を(鼻を)気遣って、ビニール袋で何重にも巻いて、バスルームに忍ばせておいた。

いったん出かけて帰って来て、ホテルのエレベータを降りると、なにかが違う。なんか、ちょっと怪しい。ほんのり匂う。匂うのである。我が部屋のドリアンの食べカスが! なんとエレベーターホールまで!

匂いの質自体はそれほどイヤではない(イヤな人もいると思うが)。でも、その匂いの「しつこさ」が、ドリアンは飛びぬけてスゴイ。何重にも巻いたビニール袋からジワジワにじみ出し、バスルームのドアの隙間から漂い、部屋のドアも抜け出し、廊下をつたい、エレベーターホールまでほんのり漂い、香ってきている。

そんなわけで、好物のドリアンをホテルに持ち帰れないことを理解した。

外で食べるしかない。

クアラルンプールのジャランアロー近くにドリアンの屋台があったので(一番最初の写真)食べようとしたら、CDが「今夜はドリアン屋台街にいくから、ここで食べるのはやめよう」と制した。

ドリアン屋台街なんてものがあるのか。

その夜、連れて行かれたのはクアラルンプールのとなりプタリンジャヤのSS2というエリア。

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「MURNI」という若者向けの、すごく面白いレストランで、仲間を集めて盛大に食事をしたあと(MURNIも今度レポートします)、すぐ近くのドリアン屋台街でデザートタイム。

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ドリアンにもいろいろな品種が存在し、猫山王(ムーシャンキン)という品種が最高級。値段はけっこう高くて、キロ当たり40RMほど。や、もっと高かった気もする。

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ほかの品種は猫山王の半額くらいだろうか。

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このJan Tongと、せっかくなので高級ドリアンである猫山王にトライすることにした。

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食べたいのを決めると、店の人がテーブルで割ってくれる。中身を見定める表情も真剣そのもの。

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左下の小さいのが猫山王、大きいのがJan Tong。

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やっぱり猫山王のほうが見た目もテラテラしていて、味わいも甘くてねっとりしてる。

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ココナツジュースも売っていて、これを飲みながらドリアン食べるのも、ひとつの作法みたい。

さらに、ドリアンでほてらないように、塩水を飲むのも良いそうだ。

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テーブルに置いてあるマスタードが入ってそうな黄色いチューブには、実は塩が入ってる。水をドリアンの殻のへこんだ部分に注ぎ、そこに塩を加えてすするのが習わしらしい。

工事中なんだけど、durianss2.comなんていうサイトがあったのでリンクしておこう。

ところで、マレーシアでは「猫山王」が、もうドリアンの代名詞のようになっている。

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空港でみつけたドリアン・テイストのインスタント・コーヒー。

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「猫山王」とパッケージに書かれている。

このインスタント・ドリアン・コーヒー。面白いので買って帰って自宅で楽しんだ。美味いとは言わないが、けっこうイイ。調子に乗って、夏場にアイスコーヒーにして水筒に入れ、職場に持って行ったら同僚に「臭い」と言われた。

インスタントのくせに、けっこうヤルな。

(よ)

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by brd | 2015-02-04 01:36 | マレーシア


旅の食卓と食卓の旅。ferment booksより『サンダー・キャッツの発酵教室』『味の形』発売中。ツイッターは @oishiisekai @fermentbooks


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