人気ブログランキング | 話題のタグを見る

サイゴン : ゴードゥッケー通りのホアンイェンで、ごはんとおかずと日本人、について考えた。

伊藤忍さんが御著書の『ベトナムめし楽食大図鑑』で「私のなかでサイゴンNo.1のお店」とコメントしているゴードゥッケー通りのHoàng Yến ホアンイェンでディナー。

サイゴン : ゴードゥッケー通りのホアンイェンで、ごはんとおかずと日本人、について考えた。_e0152073_149036.jpg

まずは、豚ばらと卵のココナッツジュース煮。

煮汁はわりとさらっとしているのに、肉と卵に味がしっかりしみている。

サイゴン : ゴードゥッケー通りのホアンイェンで、ごはんとおかずと日本人、について考えた。_e0152073_149728.jpg

はまぐりの土鍋煮。

これも味付けがしっかりしていて、ごはんにのっけて食べると実にうまい。

サイゴン : ゴードゥッケー通りのホアンイェンで、ごはんとおかずと日本人、について考えた。_e0152073_1491347.jpg

かぼちゃの花のにんにく炒め。

サイゴン : ゴードゥッケー通りのホアンイェンで、ごはんとおかずと日本人、について考えた。_e0152073_1491042.jpg

紫山芋と海老のスープ。

細かく刻んだハーブはなんだろう? ミントと紫蘇かな?

スッと爽やかなハーブの風味が全体の印象をきりりと引き立てる。

サイゴン : ゴードゥッケー通りのホアンイェンで、ごはんとおかずと日本人、について考えた。_e0152073_1491926.jpg

焼きなすひき肉のせ。

もうかなり満腹だったこともあり、この料理、最初はなんとなくビールのつまみイメージで食べていた。

が、ごはんにのっけて食べたら、ん?

ビールの二倍、いや、三倍美味いじゃないか!

前掲書には「ごはんのおかず系が特におすすめ」と書かれているが、やはりそうなのだ。

サイゴン : ゴードゥッケー通りのホアンイェンで、ごはんとおかずと日本人、について考えた。_e0152073_1491647.jpg

ベトナムのおかずは、ごはんに合う。

そして、このごはんに合うおかずが美味しい、という感覚はドンピシャに日本人の琴線に触れる。

そんなベトナム料理論を語りながら、結局おひつのごはんをすべて平らげてしまった。

もう食べられない~、などと食後の幸せに浸りながら、上記のベトナム料理論は、次第に(よ)の脳内で以下のような別論に発展していった。

ベトナム料理においては、白いごはんにおかずをのっけてもまったく問題ない。というか、そうやって食べるのがふつうだ。

対して、日本人には白いごはんにおかずをのせたり、おかずの汁をかけたりすることを禁忌する食文化がある。ねこまんまが下卑た食べものとして扱われる、あの感覚。

ごはんに合うおかずが大好きなはずなのに、ごはんとおかずを別々に食べなくちゃいけない。

これって、つらくないか?

「口内調味」なんてのがあるけれど、思うにこれは、社会的にごはんとおかずをセパレートして食べているように見せかけながら、口内でごはんとおかずを合わせて幸せに浸るための倒錯した技術なんじゃなかろうか。

社会常識的マナーと味覚の真実は、いつも乖離する。

ただ、以上にも例外がたくさんあって、例えば丼ものとカレーは、ごはんとおかずを混ぜて食べてもいいルールの料理だ。

日本人がカレー大好きな理由は、実はこんなところにあったりもするんじゃなかろうか。

サイゴン : ゴードゥッケー通りのホアンイェンで、ごはんとおかずと日本人、について考えた。_e0152073_2284645.jpg

ゴードゥッケー通りで、なぜかカレー論に至った夜だった。

(よ)

にほんブログ村 グルメブログ 海外食べ歩きへ 人気ブログランキングへ
by brd | 2014-06-11 02:16 | ベトナム


旅の食卓と食卓の旅。ferment booksより『サンダー・キャッツの発酵教室』『味の形』発売中。ツイッターは @oishiisekai @fermentbooks


by brd

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
インド
フランス
マレーシア
タイ
ミャンマー
中国
香港
ベトナム
韓国
東京のインド
東京のイタリア
東京の中国
東京のミャンマー
東京の韓国
東京のウイグル
東京のフランス
東京のタイ
東京のベトナム
東京のマレーシア
東京のネパール
東京のドイツ
東京のスペイン
東京のイスラエル
東京のニュージーランド
神奈川の中国
神奈川のタイ
神奈川のイタリア
富山のパキスタン
東京
神奈川
愛知
京都
石川
富山
茨城
本や映画
おうちで世界旅行(レシピ)
弁当
シンガポール
デンマーク
秋田
アメリカ
台湾
神奈川のベトナム
フィンランド
未分類

ブログパーツ

本棚

『食は東南アジアにあり』
『食は東南アジアにあり』
星野龍夫
森枝卓士


『食べもの記』
『食べもの記』
森枝卓士


『アジア菜食紀行』
『アジア菜食紀行』
森枝卓士


『考える胃袋』
『考える胃袋』
石毛直道
森枝卓士


『ごちそうはバナナの葉の上に―南インド菜食料理紀行』
『ごちそうはバナナの葉の上に―南インド菜食料理紀行』
渡辺玲


『食は広州に在り』
『食は広州に在り』
邱永漢


『檀流クッキング』
『檀流クッキング』
檀一雄


『中国料理の迷宮』
『中国料理の迷宮』
勝見洋一


『中国庶民生活図引 食』
『中国庶民生活図引 食』
島尾伸三
潮田登久子


『食卓は学校である』
『食卓は学校である』
玉村豊男


『地球怪食紀行―「鋼の胃袋」世界を飛ぶ』
『地球怪食紀行―「鋼の胃袋」世界を飛ぶ』
小泉 武夫


『世界屠畜紀行』
『世界屠畜紀行』
内澤旬子


『ソバ屋で憩う』
『ソバ屋で憩う』
杉浦日向子と ソ連


『有元葉子の料理の基本』
『有元葉子の料理の基本』
有元葉子


『ル・マンジュ・トゥー 素描(デッサン)するフランス料理』
『ル・マンジュ・トゥー 素描(デッサン)するフランス料理』
谷昇



『料理通信』


『Arche+』
アーチプラス
在タイ女性のための
日本語フリーペーパー



        ☆


料理通信
アンバサダーブログ
「ニッポン列島食だより」

に寄稿しています。

☆2013/03
江古田「HEM」のイベント
ベトナムおやつ屋台村


☆2012/05
カレー&スパイス伝道師
渡辺玲さんのプライベート・ディナー


☆2012/01
渋谷にあるブルターニュ
「クレープリー・ティ・ロランド」


☆2011/10
シャン料理「トーフー」は
高田馬場の新名物?


☆2011/08
信州食材meetsタイ料理!
「ヤム! ヤム! ソウルスープキッチン」


☆2011/07
震災後の「ソバ屋で憩う」
高田馬場「傘亭」

以前の記事

2019年 01月
2017年 10月
2016年 12月
2016年 10月
2016年 07月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2009年 10月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月

検索

最新のトラックバック

タグ

その他のジャンル

記事ランキング

ブログジャンル

食べ歩き
旅行・お出かけ

画像一覧