「羽根屋」で知られる富山の富美菊酒造へ行ってきた
このところ「羽根屋」ブランドが大人気の富山・富美菊酒造。
関東にも大雪が降って大変なことになっていた2月の某日、錦糸町の居酒屋MARUで羽根屋のお酒を楽しむ会が催されたので行ってきた。
今回試すことができたお酒は「富美菊」ブランドの2種類を含む計15種。
特に気に入ったのは、大吟醸おりがらみ、純米吟醸プリズム、純米吟醸生原酒「煌火」の3種類。
大吟醸おりがらみは、優雅な白いベルベットのような波がたゆたうような心地。名前の通り青や赤に光が分解されるがごとく酒の味わいが変化していくようなめくるめく感覚の純米吟醸プリズム。そして会場でもファンが多かった華やかな味わいの煌火。
すべての一升瓶を並べてみた。
せっかくなので、正面からも。
お酒にあわせる料理は、富山らしいものがいくつか出て楽しかった。
上の試飲用プラスチックグラスが並んでいる写真に写っている前菜には、甘海老の塩辛とホタルイカのいしる干し。
げんげの唐揚げ。
げんげは「幻魚」なんて字をあてるが、富山の人に言わせると「なーん、げんげっちゃー下の下の魚っちゅう意味なんぜ」なんて言ってあんまり食べようとしなかったりするが、やっぱり東京では、かなりありがたい珍味。実際、げんげの唐揚げや天ぷらは、ほかのどの魚とも似ていない食感と味わいがあって美味しい。
羽根屋の酒粕漬け寒ぶり。
今回は蔵元から杜氏の奥さんでもある富美菊酒造の営業部長が来場。杜氏がいかに身を削って酒を作っているかのスピーチで思わず涙、の一幕では会場みんながグッと来てしまい、やんやの歓声が。美人だし、とにかく魅力的な人。
今回の縁もあり、富山旅行に行ったとき蔵見学をさせてもらう約束を営業部長にとりつけた(通常、見学の受け付けはしていない)。
で、さっそく行ってきた。
富美菊酒造、本社工場入口。
富美菊酒造は大正5年の創業で一番多いときで製造量は5000石あったそうだ。県外流通むけの「羽根屋」ブランドは10年前からで、現在500石の製造量。なるほどたしかに、富山の年輩者と話していると「富美菊」はよく知っているのだが「羽根屋」というとピンとこない人が多い。
そんな歴史の刻み込まれた蔵を、営業部長の案内でめぐる。
ここで仕込み水を汲みあげる。
すべての酒を大吟醸と同じように醸す。それが羽根屋のモットーだが、それは洗米の段階から始まるのだそうだ。
麹室は建物の3階(違ったかな?)にある。行ったり来たりが大変だと営業部長。
四季醸造に切り替えてからの苦労など、いろいろな話をうかがったけれど、やっぱり酒造りに必要なエネルギーって大変なものだ。
2、3日後には搾られる大吟醸。
いい香りがしている。
瓶詰の工場まで見せていただいた。
こちらは機内で提供される予定の「煌火」の小瓶。
お土産に「煌火」を購入することにした。そうしたら、なんと、目の前で営業部長がラベルを貼ってくれた。不思議と得した気分(笑)。
聞けば、ラベルのデザインや印刷の仕様などを決めているのは営業部長なのだそうだ。というか、そもそも「煌火」などの酒の名づけ親が彼女。「羽根屋のプロデューサー的な役割を果たしてるんですね」と言うと「いや、けっこう適当です(笑)」と謙遜していたけれど、やっぱり一貫したセンスが感じられる。
富山は呉羽山を境にして、ふたつの地域「呉東」「呉西」に分けて語られることがあるけれど、富美菊酒造は呉羽山のふもとにある。だから、富山県の中心にあると言ってもいいんじゃないか。
このところ、どういうわけかなにかと富山と縁があるので、羽根屋の蔵見学ができたのは大収穫だった。
また富山の美味しいものを食べながら、羽根屋で一杯やりたいな~。
いま、旬はほたるいか。
次はほたるいかの話を書きます(たぶん)。
(よ)
関東にも大雪が降って大変なことになっていた2月の某日、錦糸町の居酒屋MARUで羽根屋のお酒を楽しむ会が催されたので行ってきた。
今回試すことができたお酒は「富美菊」ブランドの2種類を含む計15種。
特に気に入ったのは、大吟醸おりがらみ、純米吟醸プリズム、純米吟醸生原酒「煌火」の3種類。
大吟醸おりがらみは、優雅な白いベルベットのような波がたゆたうような心地。名前の通り青や赤に光が分解されるがごとく酒の味わいが変化していくようなめくるめく感覚の純米吟醸プリズム。そして会場でもファンが多かった華やかな味わいの煌火。
すべての一升瓶を並べてみた。
せっかくなので、正面からも。
お酒にあわせる料理は、富山らしいものがいくつか出て楽しかった。
上の試飲用プラスチックグラスが並んでいる写真に写っている前菜には、甘海老の塩辛とホタルイカのいしる干し。
げんげの唐揚げ。
げんげは「幻魚」なんて字をあてるが、富山の人に言わせると「なーん、げんげっちゃー下の下の魚っちゅう意味なんぜ」なんて言ってあんまり食べようとしなかったりするが、やっぱり東京では、かなりありがたい珍味。実際、げんげの唐揚げや天ぷらは、ほかのどの魚とも似ていない食感と味わいがあって美味しい。
羽根屋の酒粕漬け寒ぶり。
今回は蔵元から杜氏の奥さんでもある富美菊酒造の営業部長が来場。杜氏がいかに身を削って酒を作っているかのスピーチで思わず涙、の一幕では会場みんながグッと来てしまい、やんやの歓声が。美人だし、とにかく魅力的な人。
今回の縁もあり、富山旅行に行ったとき蔵見学をさせてもらう約束を営業部長にとりつけた(通常、見学の受け付けはしていない)。
で、さっそく行ってきた。
富美菊酒造、本社工場入口。
富美菊酒造は大正5年の創業で一番多いときで製造量は5000石あったそうだ。県外流通むけの「羽根屋」ブランドは10年前からで、現在500石の製造量。なるほどたしかに、富山の年輩者と話していると「富美菊」はよく知っているのだが「羽根屋」というとピンとこない人が多い。
そんな歴史の刻み込まれた蔵を、営業部長の案内でめぐる。
ここで仕込み水を汲みあげる。
すべての酒を大吟醸と同じように醸す。それが羽根屋のモットーだが、それは洗米の段階から始まるのだそうだ。
麹室は建物の3階(違ったかな?)にある。行ったり来たりが大変だと営業部長。
四季醸造に切り替えてからの苦労など、いろいろな話をうかがったけれど、やっぱり酒造りに必要なエネルギーって大変なものだ。
2、3日後には搾られる大吟醸。
いい香りがしている。
瓶詰の工場まで見せていただいた。
こちらは機内で提供される予定の「煌火」の小瓶。
お土産に「煌火」を購入することにした。そうしたら、なんと、目の前で営業部長がラベルを貼ってくれた。不思議と得した気分(笑)。
聞けば、ラベルのデザインや印刷の仕様などを決めているのは営業部長なのだそうだ。というか、そもそも「煌火」などの酒の名づけ親が彼女。「羽根屋のプロデューサー的な役割を果たしてるんですね」と言うと「いや、けっこう適当です(笑)」と謙遜していたけれど、やっぱり一貫したセンスが感じられる。
富山は呉羽山を境にして、ふたつの地域「呉東」「呉西」に分けて語られることがあるけれど、富美菊酒造は呉羽山のふもとにある。だから、富山県の中心にあると言ってもいいんじゃないか。
このところ、どういうわけかなにかと富山と縁があるので、羽根屋の蔵見学ができたのは大収穫だった。
また富山の美味しいものを食べながら、羽根屋で一杯やりたいな~。
いま、旬はほたるいか。
次はほたるいかの話を書きます(たぶん)。
(よ)
by brd
| 2014-04-09 09:00
| 富山
旅の食卓と食卓の旅。ferment booksより『サンダー・キャッツの発酵教室』『味の形』発売中。ツイッターは @oishiisekai @fermentbooks
by brd
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