カンペール : こんなところで牛肉カルパッチョ…しかも2皿 ブラッセリー・レペ Brasserie L'Epee
~KL-Paris-Quimper #15~
#14の続き。
カンペール旧市街には、
いろんな、
乗り物が。
おっ、
かわいらしいマカロン屋。
歩き食べ用のマカロンを、
買った。
そして、またまたブルターニュ名物、塩キャラメルペーストも購入。
キャップにかぶせた布、手書きのラベルがいい。
さて、もう午後だ。
昨日の夕刻到着したばかりのカンペールだけど、はやくも本日の夕刻にはパリむけて出発せねばならぬ定めであるからして、この地で、せめてもう一食くらいは…。
食べてばかりのようだが、このブログ「美味しい世界旅行」の主たるもの、世界旅行に出て食べねばいつ食べる?
と言っても、2食続いたガレット&クレープはさすがに飽きてきた。
そこで再び、例の10年くらい前の「フィガロジャポン」ブルターニュ特集を見ると、「カフェ・ド・レペ」というブラッセリーを勧めている。
なんでも、作家のフロベールや詩人のマックス・ジャコブも通った名物ブラッセリーだそうで、スペシャリテはブルトン風ブイヤベースの「コトリアード」なんだそうな。
よし、行ってみよう。
行ってみると、そこは旧市街のすぐ外側。オデ川をのぞむオテル・ド・レペの1階にあるブラッセリーだった。
外観は黒を基調にしておりシックな雰囲気。
テラス席もあるが、中に入ってみる。
クラシックな要素を取り入れたモダンというか、わりと今ふうのデザインセンスを感じさせる内装。
紙ナプキンに印刷された店のロゴもちゃんとデザインされていて、カッコイイ。L'Epeeの店名と剣、そしてブルターニュのシンボル“エルミン”があしらわれている。
まずは、ブルターニュのビールブランド、Lancelotのblondeを。
写真がボケボケだったのでここにはアップしないけど、ブルトン定番アペリテフ、キールブルトンヌも注文。
で、さっそくコトリアードを注文したが、「ない」とのこたえ。ブイヤベース、と言ってみたけれど、やはり要領を得ず。
メニューにも、それらしい料理の記載はない。
うーむ。
さすがに10年前のメニューは変更になったか。
この内装の雰囲気を見るにつけ、最近になって店が大幅リニューアルされていることも想像に難くない。
では、何がオススメかと問えば、またまたのフリドメール fruits de mer 海の幸の盛り合わせ。
確かに、他のテーブルに運ばれているフリドメールは盛り付けも美しく、美味しそうだ。
でも、なんとなくそんな気にもなれず、とりあえずまた牡蠣だけ頼んでみた。
マガキとヒラガキの3個ずつ盛り合わせ。味は美味しいけど、やっぱり、ここでも身が薄い。食べた気にならない。
Plat du jourはイワシみたいな魚とサーモン、そしてジャガイモのグリルにフレンチフライ。
悪くないけど、カンペールで食べなくてもいいかな、という感じ。
さらに、この店のオススメということで頼んでしまったけれど、よくよく考えればカンペールで食べなくてもイイだろ!な料理第2弾が、牛肉のカルパッチョである。
グランドメニューのわりと大きな面積をとって「カルパッチョ」のカテゴリーが存在し、
・3種胡椒の牛肉カルパッチョ
・バジリコの牛肉カルパッチョ
・パルメジャーノの牛肉カルパッチョ
・3種チーズの牛肉カルパッチョ
などと記載されている。
うーん。
ま、オススメなんだよな。
で、出てきたのが、これ。
美味い。
でも、やっぱりここで食べなくてもいいよなー、これ。
ブルターニュだから魚介料理ならまだわかるけど、牛肉、しかも生。つか、そもそもカルパッチョってイタリア料理じゃん。
でも、美味い。
肉が新鮮。冷たくて、限りなく薄くスライスしてあって、ワインが欲しくなる。チーズもパルメザンと、青カビと、あと一種類。お肉に包んで食べると美味い。
でも、これをここで頼まなくても…とか、ぶつぶつ言いながら、まあわりといい気分になって食べ終わった。
まあまあ美味しかったから、よかった。
さて、次はどこに行くかな、美術館でも見るかな。そんな相談をしながら、ワインの残りをもてあそびつつ、ひとときくつろいでいた。
そんな(よ)を、突然、予想外の出来事が襲った。
思いもよらなかった展開が、(よ)の身にふりかかってきたのである。
まったく同じカルパッチョが、また運ばれてきた。
え?
これ、もう出たよ。他のテーブルのじゃない?
いやいや、あなたのカルパッチョです。と給仕人は言う。
でも、もう食べちゃったよ。
いやいや、カルパッチョは2皿なんです。と給仕人。
え?
そうだったの!?
どうやら、このカルパッチョはまったく同じ皿が2回にわたってサーブされることになっているらしい。なるほど、薄くスライスした肉はすぐに温まってしまうし、スライスしたての新鮮さは短時間で失われてしまう。だから、ある程度の分量の肉をカルパッチョで食べるなら2皿に分けてサーブすれば合理的だ。
肉が美味しいと思ったのにもワケがあった。そこまで考えて出しているわけだ。
確かにメニューをよく見れば、そう書いてある。
しかし。
場にそぐわない料理を頼んでしまった後悔と、まあまあ美味しいじゃないの、という若干の喜びが入り混じった複雑な心境の食事を、もう一度繰り返せというのか。
なんとも微妙である。
紹介し忘れたが、上はカルパッチョについてきたサラダ。
このありふれたサラダの写真を見ることで、ダブルカルパッチョの衝撃を忘れることにしよう。
そして、カンペールの残り時間を楽しもう。
おっと、その前に、オテル・ド・レペの一階に飾られていた古地図に目が行ったので撮影しておいた。
カンペール城壁内を示した絵地図。
山羊にエルミンは、カンペールの紋章。
こちらはブルターニュ全土の絵地図。
※2011年9月
つづく。
(よ)
#14の続き。
カンペール旧市街には、
いろんな、
乗り物が。
おっ、
かわいらしいマカロン屋。
歩き食べ用のマカロンを、
買った。
そして、またまたブルターニュ名物、塩キャラメルペーストも購入。
キャップにかぶせた布、手書きのラベルがいい。
さて、もう午後だ。
昨日の夕刻到着したばかりのカンペールだけど、はやくも本日の夕刻にはパリむけて出発せねばならぬ定めであるからして、この地で、せめてもう一食くらいは…。
食べてばかりのようだが、このブログ「美味しい世界旅行」の主たるもの、世界旅行に出て食べねばいつ食べる?
と言っても、2食続いたガレット&クレープはさすがに飽きてきた。
そこで再び、例の10年くらい前の「フィガロジャポン」ブルターニュ特集を見ると、「カフェ・ド・レペ」というブラッセリーを勧めている。
なんでも、作家のフロベールや詩人のマックス・ジャコブも通った名物ブラッセリーだそうで、スペシャリテはブルトン風ブイヤベースの「コトリアード」なんだそうな。
よし、行ってみよう。
行ってみると、そこは旧市街のすぐ外側。オデ川をのぞむオテル・ド・レペの1階にあるブラッセリーだった。
外観は黒を基調にしておりシックな雰囲気。
テラス席もあるが、中に入ってみる。
クラシックな要素を取り入れたモダンというか、わりと今ふうのデザインセンスを感じさせる内装。
紙ナプキンに印刷された店のロゴもちゃんとデザインされていて、カッコイイ。L'Epeeの店名と剣、そしてブルターニュのシンボル“エルミン”があしらわれている。
まずは、ブルターニュのビールブランド、Lancelotのblondeを。
写真がボケボケだったのでここにはアップしないけど、ブルトン定番アペリテフ、キールブルトンヌも注文。
で、さっそくコトリアードを注文したが、「ない」とのこたえ。ブイヤベース、と言ってみたけれど、やはり要領を得ず。
メニューにも、それらしい料理の記載はない。
うーむ。
さすがに10年前のメニューは変更になったか。
この内装の雰囲気を見るにつけ、最近になって店が大幅リニューアルされていることも想像に難くない。
では、何がオススメかと問えば、またまたのフリドメール fruits de mer 海の幸の盛り合わせ。
確かに、他のテーブルに運ばれているフリドメールは盛り付けも美しく、美味しそうだ。
でも、なんとなくそんな気にもなれず、とりあえずまた牡蠣だけ頼んでみた。
マガキとヒラガキの3個ずつ盛り合わせ。味は美味しいけど、やっぱり、ここでも身が薄い。食べた気にならない。
Plat du jourはイワシみたいな魚とサーモン、そしてジャガイモのグリルにフレンチフライ。
悪くないけど、カンペールで食べなくてもいいかな、という感じ。
さらに、この店のオススメということで頼んでしまったけれど、よくよく考えればカンペールで食べなくてもイイだろ!な料理第2弾が、牛肉のカルパッチョである。
グランドメニューのわりと大きな面積をとって「カルパッチョ」のカテゴリーが存在し、
・3種胡椒の牛肉カルパッチョ
・バジリコの牛肉カルパッチョ
・パルメジャーノの牛肉カルパッチョ
・3種チーズの牛肉カルパッチョ
などと記載されている。
うーん。
ま、オススメなんだよな。
で、出てきたのが、これ。
美味い。
でも、やっぱりここで食べなくてもいいよなー、これ。
ブルターニュだから魚介料理ならまだわかるけど、牛肉、しかも生。つか、そもそもカルパッチョってイタリア料理じゃん。
でも、美味い。
肉が新鮮。冷たくて、限りなく薄くスライスしてあって、ワインが欲しくなる。チーズもパルメザンと、青カビと、あと一種類。お肉に包んで食べると美味い。
でも、これをここで頼まなくても…とか、ぶつぶつ言いながら、まあわりといい気分になって食べ終わった。
まあまあ美味しかったから、よかった。
さて、次はどこに行くかな、美術館でも見るかな。そんな相談をしながら、ワインの残りをもてあそびつつ、ひとときくつろいでいた。
そんな(よ)を、突然、予想外の出来事が襲った。
思いもよらなかった展開が、(よ)の身にふりかかってきたのである。
まったく同じカルパッチョが、また運ばれてきた。
え?
これ、もう出たよ。他のテーブルのじゃない?
いやいや、あなたのカルパッチョです。と給仕人は言う。
でも、もう食べちゃったよ。
いやいや、カルパッチョは2皿なんです。と給仕人。
え?
そうだったの!?
どうやら、このカルパッチョはまったく同じ皿が2回にわたってサーブされることになっているらしい。なるほど、薄くスライスした肉はすぐに温まってしまうし、スライスしたての新鮮さは短時間で失われてしまう。だから、ある程度の分量の肉をカルパッチョで食べるなら2皿に分けてサーブすれば合理的だ。
肉が美味しいと思ったのにもワケがあった。そこまで考えて出しているわけだ。
確かにメニューをよく見れば、そう書いてある。
しかし。
場にそぐわない料理を頼んでしまった後悔と、まあまあ美味しいじゃないの、という若干の喜びが入り混じった複雑な心境の食事を、もう一度繰り返せというのか。
なんとも微妙である。
紹介し忘れたが、上はカルパッチョについてきたサラダ。
このありふれたサラダの写真を見ることで、ダブルカルパッチョの衝撃を忘れることにしよう。
そして、カンペールの残り時間を楽しもう。
おっと、その前に、オテル・ド・レペの一階に飾られていた古地図に目が行ったので撮影しておいた。
カンペール城壁内を示した絵地図。
山羊にエルミンは、カンペールの紋章。
こちらはブルターニュ全土の絵地図。
※2011年9月
つづく。
(よ)
by brd
| 2012-03-11 23:22
| フランス
旅の食卓と食卓の旅。ferment booksより『サンダー・キャッツの発酵教室』『味の形』発売中。ツイッターは @oishiisekai @fermentbooks
by brd
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