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ブレスト : ブルターニュの牡蠣と、アンイージーなeasyjet

~KL-Paris-Quimper #10~

#09の続き。

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Huîtres creuses de Bretagne.

フランスには、牡蠣が2種類。

日本の牡蠣とおなじ殻がくぼんだクルーズ creuses(マガキ)と、ブロンのような平たいプラット plate(ヨーロッパヒラガキ)。

上の写真の牡蠣はブルターニュの北端、ブレストという街の近くにあるPrat Ar Coum プラタルクムという産地のクルーズ。

クリーミーでプルンとした食感がよいけれど、日本の牡蠣のようなクセはなく、とても身が薄くて、牡蠣好きとしては、ちょっと物足りないような気もする。9月末という季節のせいなのか、シーズン通してこうなのか、たまたまそういう品だったのかは、よくわからない。

この日は、この牡蠣にありつくまでが、ドタバタだった。

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パリから空路でブルターニュのBrest ブレストへ飛び、陸路でカンペール Quimperへ向うエクスカーションを企てた。

もともとブルターニュに行こうとは思っていた。でもなぜ、ブレスト-カンペールのコースになったかというと、国内線のイージージェット easyjetが激安なのを発見したから。

パリ→ブレスト往復で74EUR。8000円しない。

使わない手はない。

しかも、朝イチ6:50にフライトで、8時にはブレストに着く。9時あたりの電車に接続すれば、10時にはカンペール。宿にチェックインして、ゆっくり出かけてランチが可能。そんなつもりだったのだが・・・。

さて。

ほとんど寝ないで4時過ぎに宿をチェックアウト。タクシーを飛ばしてCDGまでやってきた。

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午前6時前の搭乗ゲート。寝心地の良さそうな不思議なデザインのソファと、雲のような照明が気になる。ソファにぜひ座ってみたい(寝てみたい)けど、睡眠中の方々がどいてくれない。

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6:30にはeasyjet3971便に搭乗。

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8:05にはブレスト着。

の、はずだったが、どうやら様子がおかしい。着陸しそうな態勢なのに、延々と、いつまでも低い高度を旋回している。なんだなんだ。

そして、1時間も遅れて、やっと着陸したのは、なんと!!!

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ナントだった・・・。

駄洒落もむなしい、この現実。

ブレスト上空の悪天候による、止むなき行き先変更で、ブレストから300キロも手前のナントの空港に着陸してしまったのだ。

おいおいおい、せっかく早起きしたのに! 

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乗客全員、チャーターバスでブレストまで輸送されることに。

バスに乗らず、このままばっくれてナント観光でもいいか、とも思ったが、買ってある復路航空チケットはブレスト→パリなので、やっぱり行かなきゃしょうがない。

聞いたら、ブレストまでバスで4時間ぐらいかかるって。

が~!

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国道N165号線を西北西に。

ナントを出て、ブルターニュ地域圏に入り、ヴァンヌを経て、ロリアン、カンペール、そしてブレストにいたる。

そう。最終目的地のカンペールは、ブレストへの道中にある。

途中で降ろしてもらえば良いではないか。

偶然、おなじルートを予定していたフランス人乗客が同乗していた。数は力。手と手を取り合って運転手と係員に詰め寄り、交渉した。

が、答えはノン。

easyjetは、ナント空港からブレスト空港まで送り届けるだけ。途中下車は許されない。

くっそー!このアンイージージェットめ~!

確かに、途中下車して何かあったばあい航空会社は責任とれないし、他の乗客のタイムロスになるからNGなんだろう。それにしても、なんも出んのか? ま、払ってる金額が安いしな・・・。

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ブレストの空港に着いたのは、13時半ごろ。

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そこから小さなバスで、市街へ。

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上空悪天候って・・・めちゃくちゃ天気いいんですけど。

もう14時すぎ。朝から飲まず食わずなので、力も尽きた。食事でもして、かるくブレスト観光しようか。

17時台の電車を確認して、ブレストの街へ。

でもブレストのこと、ほとんど調べてない。

ミシュランに載ってるレストランに電話してみたが、ランチタイム終了で、開くのは夕方みたい。

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トランク重いし、適当に歩いてここへ。

Les Relais d'Alsace

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平日だし、もう15時だし、店内がらがら。

ルレダルザスって、せっかくブルターニュに来たのに、アルザスに入っちゃったのも、すこしむなしい(笑)。

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あとから調べてわかったけど、この店、ドイツのKarlsberg カールスバーグ(ドイツ読みだとカールズベルク)が経営してて、フランス国内に無数にあるチェーン店。

Karlsbergは日本でも有名な緑のボトルのCarlsberg(デンマークの会社)とは別モノで、混同を避けるため、ドイツ国外ではカールスブロイ Karlsbräuと名乗っているんだって。

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だからカールスブロイを頼めばいいのに、なぜかベルギーのフローレフ FLOREFFEの白ビールを頼んじゃった。

赤いのは、キールブルトンヌ。

ブルターニュ風キールで、カシスに、白ワインでなくシードルを合わせる。

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かってに出てきたおつまみ。

せっかくなので、牡蠣を。

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これは本記事冒頭の牡蠣とは違い、Marennes Oleron マレンヌ・オレロンのFines de claireという牡蠣。

産地のマレンヌ・オレロンは、ちょうどeasyjetが着陸したナントをもう少し南下して、ボルドーとの間辺りにある。シャラント・マリタイム県 Charente-Maritimeのマレンヌとオレロン島に挟まれた湾のあたり。

美味しいけど、やっぱり身が薄い。

あーもっと食べたい、海の幸。ということで、

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plateau de fruits de mer

海の幸盛り合わせを、どどんと。

手前から時計回りに、

・ブルターニュのタニシみたいな貝、ビゴルノー Bigorneau.

・レモンに刺さったクルべット・ローズ crevettes roses. これは日本にもあるような、ふつうのえびだと思う。

・ラングステーヌ langoustines. 手長えび。

・ビュロ bulots. ばい貝とおなじ貝だと思う。

・トゥルートー Tourteau. いちょう蟹。

・牡蠣。この盛り合わせの牡蠣が、本記事冒頭の写真で紹介した、プラタルクムのクルーズ。

・酢とバター。

・まんなかあたりにあるのが、あさりのような、はまぐりのような、二枚貝のパルルド Palourdesと、たぶんもう一種類。よくわからない。

ブレスト : ブルターニュの牡蠣と、アンイージーなeasyjet_e0152073_1261959.jpg

牡蠣もいいけど、このビゴルノーも好き。白ワインを飲みながら、針のような金属の楊枝みたいなのでほじりだして食べる。次から次へと食べる作業にハマってしまう。

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ふつうのえびはレモンに刺して花のようにデコレーションしてあったけど、ラングスティーヌは、こんな風に爪が自分の尻尾に刺してあって、のけぞりポーズになるようになってる。

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Plat du jour

本日のおすすめも頼んだけど、明らかに蛇足だった。

白身魚のブールブラン、ほうれん草のフラン、バターライス。

腹いっぱいになり、散歩。電車の時間と、荷物もあるので、あんまり遠くにはいけないけど。

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アジョ広場 Cours d'ajot.

ここは高台になっていて、

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ブレストの港が見渡せる。

あとから気付いたけど、見下ろすこの港、海沿いの建物の向こうあたりには飲食店が多く、「旅の食卓と、食卓の旅」を標榜するわれわれとしては、訪問すべき場所であった。残念!

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第一次大戦のアメリカ記念碑。

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街中のブロカントへ。

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ここで書いたけど、なぜか使うアテもない卵立てを多数購入。

そんなこんなで、もう電車の時間。

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ブレスト駅へ。

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ter BRETAGNEのブレスト発17:13、ナント行に乗車。

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カンペール着18:23。

やっと着いた。

つづく。

(よ)

※2011年9月

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by brd | 2011-11-13 01:40 | フランス


旅の食卓と食卓の旅。ferment booksより『サンダー・キャッツの発酵教室』『味の形』発売中。ツイッターは @oishiisekai @fermentbooks


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