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インド デリー :ムガル料理「 カリム・ホテル」

インドの旅、最終日。

オールドデリー観光の目玉、インド最大級のイスラム寺院、ジャマ・マスジッドへ。

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デリーの下町オールドデリーが東京でいうところの浅草だとするならば、さしずめ、ジャマ・マスジッドは浅草寺だろうか。

入り口では、テロ対策だろう入念にボディチェックされたあと、観光客はひとり200ルピーの入場料をとられ、女性の入場者には手首、足首まで隠れる服を貸してくれる。

境内は土足厳禁。靴は預かってもらい、裸足でぺたぺたと歩く。

ジャマ・マスジッド詣でが済んだら、さ~て、カレーだ!

ジャマ・マスジッドの門前町には、カレー好きなら絶対にはずせない老舗かつ名店、カリム・ホテルがある。

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ムガル帝国時代の宮廷料理人の末裔が始めた店だそうで、イスラム料理の専門店。

しつこくオールドデリー=浅草のたとえを続けるならば、門前町の老舗カリム・ホテルは「駒形どぜう」、もしくは「大黒屋」、もしくは「並木藪蕎麦」的な位置づけのお店かもしれない(?)。

店名に「ホテル」とあるが、宿泊施設はない。飲食店に「ホテル」の屋号がつくのは、コーチンの「カイーズ・ホテル」とおなじ事情。

ところで。

この店、写真のようなカレー鍋が並ぶ厨房(ストックしたカレーをよそうエリア?)が外から見られる。

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手前の男性が、なんかカッコイイのでアップにしてみた(笑)。

カレーをよそいやすいように傾いた鍋がとりかこんでいて、なんだかドラムセットのようだ。そして、カレーをよそう手つきがうやうやしげで、あぐらをかいているし、古典楽器を演奏しているみたいでもある。

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こっちは、シークカバブを焼く男性。

カバブを巻く鉄の棒が頑丈そうで、いい味を出している。

なんでも絵になる。

店前ではしゃいでいたら、「はやく入って食べなさい」と、ジェスチャーで促されたので、素直に「はい」としたがい入店。

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まず、お通しというか、つけあわせというか、箸やすめというか、たまねぎのスライスとレモン。

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チキン・ムグライ。

もろもろしたような独特のグレービーは溶き卵が入っているそう。まったりとした舌触り。

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マトン・コルマ。

意外に酸味が強く、初めての味。

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ブレイン・カレー。

脳味噌が白子のようで、油と相まってクリーミー。油とグレービーと脳をいい具合に混ぜつつ、ごはんにまぶしながら食べると、とても美味しい。

以上に、ベジタブル・プラオ(野菜入りご飯)と、タンドリー・ロティなど主食も。

写真を見るだけでわかると思うが、全体にカレー類はオイリー。

でも、とくにあとで胸焼けしたりすることもなかった。

カレーの油っぽさは、イスラム教の食における清浄/不浄の感覚と、なにか関係があるかもしれない。

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シーク・カバブ。

酸味があってクセになる。発酵ソーセージのように、発酵させているのかも。

最後にデザート。

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キール。

フランスの「リ・オ・レ」、とか、スペインの「アロス・コン・レチェ」のような、お米をミルクで煮込んだデザート。

ゆるめのアロス・コン・レチェなどと比べて、固めのプディング状。素焼きのカップと木の匙もイイ。

店員のオススメで注文したけれど、とても美味しかった。

大満足して、席を立つ。

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カリム・ホテルは、デリーのあちこちに支店があるみたいだ。

各支店の看板だろうか、たくさん掲げてある。

そして。

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やっぱり、この人が気になる(笑)。

そして、これらのカレー鍋も。

日本ではあまり見ないかわったカタチ。

だけど、よく観察してたら、判った。コンロにななめに据えても座りが良く、かつ、中のカレーがこぼれないデザインになっているわけね。

なんて、思っていたら。

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ジャマ・マスジッドちかくの銅器屋で、同じ形の胴鍋を発見。

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結局、いちばん小さいのを、買ってしまった。

値段は交渉のすえ、800ルピー。

日本円にして1600円ほど。

うーん、やっぱりボラれているのだろうか。よくわからん。

帰ったら、これでカレーを作ろう。

(よ)

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by brd | 2010-11-18 06:09 | インド


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